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入門 · 9 MIN READ

HYROXの株は買える? 運営会社・株主と2026年9月の売却

HYROX(ハイロックス)の株は証券会社では買えず、株価もありません。運営会社はドイツ・ハンブルクのHYROX World GmbHという有限会社で、ドイツで上場できる会社の形(AG・KGaA・SE)ではありません。2026年9月8日には、筆頭株主だったInfrontが過半数の持ち分を、投資会社L Catterton主導のグループと創業者2人に売ったと発表しました。株主の移り変わりと売却の中身を、会社の発表と報道で整理します。

HYROXの株は買える? 運営会社・株主と2026年9月の売却

HYROX(ハイロックス)の株は、証券会社で買うことはできず、取引所で付く株価もありません。HYROXのブランドを持ち、世界の大会全体の運営管理を担うのは、ドイツ・ハンブルクのHYROX World GmbHです(日本の大会の開催は別の会社が行っています)。GmbHはドイツの有限会社の形で、ドイツの会社が株式を上場するときに選べる形(AG・KGaA・SE)に入っていません。2026年9月の売却の発表と報道にも、上場の記述はありません。

HYROXの株主は、2026年9月に大きく変わりました。2019年12月から出資し、2022年10月から過半数の持ち分を持っていた筆頭株主のスイスのInfront Sports & Media AG(以下Infront)が、2026年9月8日に、その持ち分を売り終えたと発表しました。買い手は、投資会社のL Catterton(エル・キャタートン)が率いるグループと、創業者のクリスチャン・トエツケ氏(Christian Toetzke)とモーリッツ・フュルステ氏(Moritz Fürste)の2人で、投資会社のWndrCo(ワンダーコー)も取引に加わっています。創業者2人は、投資会社と組んでInfrontから持ち分を買い戻す側に回っています。この取引は、売り手のInfrontと買い手(投資会社・創業者)の間の持ち分の売買として発表されています。上場や、一般の人に向けた株の売り出しの記述は、発表にも報道にもありません。

根拠は、Infrontの発表、ドイツの法律と取引所の資料、日本の公式サイトの法的表記、Bloombergとドイツのスポーツ通信社SIDの報道です(2026年10月12日時点)。

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HYROXの株は証券会社では買えず株価も無い

HYROXの株を買う方法ごとの答え。証券会社で買うことはできない、株価は無い、一般向けの売り出しの案内は無い、GmbHの持ち分を譲るには公証人が作る形式の契約が要る
出典:Infrontの発表、ドイツ取引所の上場ガイド、ドイツ有限会社法15条、hyroxjapan.com の法的表記をもとに編集部が作成(2026年10月12日時点)

HYROXの株を証券会社で買うことも、株価を調べることもできません。根拠は次の表のとおりです。

確かめたこと

内容

出どころ

運営会社の形

HYROX World GmbHはドイツの有限会社(GmbH)で、ハンブルクの商業登記に載っている(HRB 144750)

日本の公式サイトの法的表記

上場できる会社の形

ドイツの会社が上場するときに選べる形は、AG(株式会社)・KGaA(株式合資会社)・SE(欧州会社)の3つ。GmbHは入っていない(外国の会社の形では、オランダのN.V.やルクセンブルクのSAもフランクフルトに上場できる)

ドイツ取引所の上場ガイド(2022年時点)

GmbHの持ち分の譲り方

持ち分は譲ったり相続したりできるが、譲るには公証人が作る形式の契約が必要

ドイツ有限会社法15条

2026年9月の取引

Infrontと、投資会社・創業者の間の持ち分の売買として発表された。上場や一般向けの株の売り出しの記述は無い

Infrontの発表、Bloomberg、SID

フランクフルト証券取引所を運営するドイツ取引所(Deutsche Börse)の上場ガイド(2022年時点)によると、ドイツの会社はGmbHのままでは上場できず、上場するにはAG・KGaA・SEのどれかへ会社の形を変える必要があります。ガイドは、上場を目指す会社の多くにこの変更が必要だとし、変更には専門家の助言が要り、少なくとも2か月かかると書いています。HYROX World GmbHが会社の形を変える、あるいは上場するという発表は、2026年10月12日時点で確認できませんでした。

GmbHの持ち分の売り買いは、ドイツ有限会社法15条の1項と3項に定めがあります。持ち分そのものは譲ることができますが、譲るときは公証人が作る形式の契約を結びます。2026年9月の取引で持ち分を買ったのも、投資会社のグループと創業者でした。

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HYROXの運営会社はドイツ・ハンブルクのHYROX World GmbH

HYROXのブランドを持ち、世界の大会をまとめているのはHYROX World GmbHです。日本の大会の主催者は、HYROX World GmbHとは別の会社です(会社名と問い合わせ先はHYROXの運営会社はどこ?にまとめています)。

日本の公式サイト(hyroxjapan.com)のフッターは「HYROX is a brand of HYROX World GmbH.」と書き、法的表記にはハンブルクの住所と商業登記の番号(HRB 144750)が載っています。日本の大会の参加規約(2026/27シーズン)も、HYROX World GmbHを「本来の権利者」とし、大会全体の運営管理と国際的な調整を担う会社としています。

HYROX World GmbHの収益源は、SIDの記事によると、世界の大会のチケットの販売と、ジムへのライセンスの付与です。同じ記事は、HYROXの運営会社の年間の売上を2億ユーロ超と書いていますが、会社が発表した数字ではありません。

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HYROXの株主の移り変わり(2017年〜2026年)

HYROXの持ち主の移り変わり。2017年に創業者がハンブルクで開始、2019年12月にInfrontが初めて出資、2022年10月にInfrontが過半数の筆頭株主、2026年9月8日にL Catterton主導のグループと創業者が買い手になり、WndrCoも参加。創業者は50%超と発言(報道)
出典:Infrontの発表(2026年9月8日)・HYROX公式サイトの沿革・SID(2026年10月12日時点)。目盛りは等間隔で、年の間隔とは比例していません

HYROXの持ち主の動きを、時期の順に並べると次のとおりです。

時期

出来事

出どころ

2017年

ハンブルクで最初の大会。公式サイトの沿革ページは、創設者としてトエツケ氏・フュルステ氏・ミヒャエル・トラウトマン氏(Michael Trautmann)の3人を挙げる

公式サイトの沿革

2019年12月

スイスのスポーツビジネスの会社Infrontが、初めてHYROXに出資

Infrontの発表

2022年10月

Infrontが過半数の持ち分を持つ筆頭株主になる

Infrontの発表

2026年9月8日

Infrontが過半数の持ち分の売却を終えたと発表。買い手はL Catterton主導のグループと創業者2人で、WndrCoも参加

Infrontの発表

Infrontが過半数を持った時期について、専門メディアのHybrid Fitness Mediaは2021年10月と書いていますが、Infront自身の発表は2022年10月です。この記事はInfrontの発表に合わせています。

Infrontが出資していたあいだに、HYROXは大きく伸びました。Infrontの発表によると、2025/26シーズンには100大会超、参加者140万人超、観客150万人超になっています。これはInfrontが発表した数字で、HYROXの公式の集計ではありません。創設からの大会の広がりはHYROXの歴史で年表にしています。

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2026年9月の売却で誰が誰から買ったのか

2026年9月8日のInfrontの発表で確かめられるのは、売り手・買い手・金額の扱いまでです。

項目

内容

出どころ

売り手

Infront Sports & Media AG(スイス・ツーク)。持っていた過半数の持ち分を売った

Infrontの発表

買い手

L Catterton主導のグループ(コンソーシアム)と、創業者のトエツケ氏・フュルステ氏

Infrontの発表

取引に加わった会社

WndrCo。ジェフリー・カッツェンバーグ氏(Jeffrey Katzenberg)と共同パートナーのスジェイ・ジャスワ氏(Sujay Jaswa)が創業して率いる投資会社

Infrontの発表

金額

非公表(発表は「Financial terms were not disclosed」と書く)

Infrontの発表

L Cattertonは、Infrontの発表で「世界最大の消費者向け投資会社」と紹介されています。これはInfrontによる紹介で、順位を編集部が確かめたものではありません。

「HYROX 買収」と検索されることがありますが、今回の取引は、筆頭株主だったInfrontが持ち分を売り、創業者が投資会社と組んで買い手に加わる形です。Infrontの発表の題名も「L Catterton主導のグループが、HYROXの創業者と組んで、InfrontのHYROXの過半数の持ち分を取得」となっています。

創業者のトエツケ氏は、SIDの記事で「これまでも理屈の上ではInfrontが戦略で最後の判断をできたが、任せてくれていた。今は形の上でも自分たちが主導する立場に戻った」という趣旨の話をしています。

報じられているが発表されていない数字

金額や持ち分の割合は、会社の発表には出ていません。報道に出ている数字は次のとおりで、どれも会社が発表した数字ではありません。

報道の内容

伝えた記事

取引でHYROXの評価額は約6億ユーロになりうる(取引の発表の前に「関係者の話」として報道)

Bloomberg

取引のあと、創業者2人の持ち分は合わせて50%超になる(フュルステ氏がドイツ紙Bildに話した内容)

SID

HYROXの運営会社の年間の売上は2億ユーロ超

SID

取引の前には、創業者の持ち分の割合を具体的な数字で伝えた報道もありました。関係者の話に基づくもので、会社の発表では確かめられないため、この記事では数字を載せていません。

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大会に出る人に関わる発表と報道

売却の発表と報道のうち、大会に出る人に関わるのは、これからの優先事項と価格の方針です。日本の大会についての記述はありません。

  • これからの優先事項:トエツケ氏はInfrontの発表の中で、五輪への挑戦、何百万人もの人をスタートラインへ迎え続けること、HYROXを強くする新しい商品への投資を挙げています。五輪の話の今の段階はHYROXはオリンピック種目になる?にまとめています
  • 価格:フュルステ氏はSIDの記事で、価格の方針はこれまでどおりで「価格が2倍になる心配はいらない」と話しています。会社の発表ではなく、報道で伝えられた発言です
  • 日本の大会:Infrontの発表と、SID・Bloombergの記事には、日本の大会についての記述はありません。日本で開かれる大会の日程と会場は日本の大会のページにまとめています
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HYROXの株についてよくある質問

HYROXはこれから上場する? 上場の予定は、2026年10月12日時点で発表されていません。今回の売却の発表と報道にも、上場の話は出てきません。仮にHYROX World GmbHが上場するなら、ドイツ取引所の上場ガイド(2022年時点)によれば、先にAG・KGaA・SEのどれかへ会社の形を変えることになります。

HYROXに関係する会社の株なら買える? HYROXの持ち分を持つと確認できた上場企業はありません。Infrontの発表・Bloomberg・SIDの記事で、今回の取引の買い手として名前が出ているのは、投資会社のL Catterton主導のグループとWndrCo、創業者2人です。売り手のInfrontについて、Bloombergは中国の大連万達グループ(Dalian Wanda Group)の傘下と書いていますが、Infrontは今回の取引で持っていた過半数の持ち分を売った側で、取引後の持ち主としては名前が出ていません。PUMAはHYROXの公式パートナー(契約は2030年まで)ですが、今回の売却の発表に株主としては出てきません。PUMAとの関係はHYROXとPUMAの関係で説明しています。

日本の運営会社の株は? 日本の大会の主催者の株主について、編集部は公表された情報を確認できていません。主催者の会社名は、公式文書によって書き方が違います。詳しくはHYROXの運営会社はどこ?で整理しています。

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KEY TAKEAWAYS

  • HYROXの株は証券会社では買えず、株価もありません
  • 運営会社はドイツ・ハンブルクのHYROX World GmbH(有限会社)で、ドイツで上場できる会社の形(AG・KGaA・SE)ではありません
  • 2026年9月8日、筆頭株主だったInfrontが過半数の持ち分をL Catterton主導のグループと創業者2人に売り、WndrCoも加わりました。金額は公表されていません
  • 評価額約6億ユーロ、創業者の持ち分50%超、年間の売上2億ユーロ超は報道の数字で、会社の発表ではありません
  • 上場の予定は発表されていません。創業者は価格の方針を変えないと話しています(報道)
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