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HYROXのルール変更点|25/26→26/27シーズンで何が変わったか
HYROX公式サイトは現在の版(26/27シーズン)しか公開していないため、前シーズン(25/26)の原文はInternet Archiveに残っていた版を使い、突き合わせて確認しました。もっとも影響が大きいのは、8種目のどれか1つでも完了しないと失格になる規定の新設。ほかにも追い越しの明文化、動き方の基準の緩和、反則の単純化など、実際に変わった点だけをまとめています。

HYROX(ハイロックス)の公式ルールブック(シングルス・ダブルス・リレーの3冊)は、25/26シーズンから26/27シーズンにかけて複数の点が変わっています。もっとも影響が大きいのは、8種目のどれか1つでも最後までやり切れないと失格になる規定が新しく加わったことです。以前は種目によって「時間ペナルティで済む」余地がありましたが、26/27版ではその余地が無くなっています。
この記事は、公式サイトが現在公開している26/27シーズン版と、前シーズン(25/26版)の原文を突き合わせ、実際に変わった箇所だけをまとめたものです。HYROXの公式サイトは常に最新版だけを公開しており、25/26版はすでにダウンロードできません。今回はInternet Archive(Wayback Machine)に残っていた記録を使って確認しました。確認できる最後の25/26版は2026年5月〜6月時点のもので、26/27版への切り替えはそれ以降に行われています。前シーズンの原文が確認できなかった箇所については、推測で書かず扱っていません。

種目を完了しないと失格になる規定が新設された
25/26版は、種目を丸ごと欠く、または1kmのランを欠くと失格になると定めていましたが、種目に取り組んだうえで最後までやり切れなかった場合の扱いはこの条文にありませんでした。実際、スキーエルグとローイングは「途中で離れると、違反の重大性に応じて最短10秒のタイムペナルティから失格までの幅で扱う」という裁量の余地がある書き方で、ウォールボールは100回に届かないまま離れても失格にならず、未完了1回ごとに15秒のタイムペナルティが加算される仕組みでした。ソリ(プッシュ・プル)のレーン不足、ファーマーズキャリーのラップ不足も、それぞれ3分の時間ペナルティで済んでいました。
26/27版はこれらをまとめて「Incomplete Station(種目未完了)」という1つの考え方に整理し、全8種目について、規定量を完了せずに離れると自動的に失格になると明記しました。なかでもスキーエルグ・ローイング・ウォールボール・ソリ(プッシュ・プル)・ファーマーズキャリーは、これまで種目ごとに時間ペナルティで済む余地があった分、変化がはっきり分かる5種目です。時間ペナルティで済ませる選択肢は無くなっています。
追い越しがランジ・バーピーブロードジャンプ・ファーマーズキャリーで明文化された
25/26版で追い越しが明記されていたのはバーピーブロードジャンプだけでした(グリッド線は目安に過ぎず、同じレーンに留まる必要は無い、という一文)。26/27版はこれをランジ・ファーマーズキャリーにも広げ、「安全な場合は速い選手が遅い選手を追い越してよい」とまとめて明記しました。グリッド線やレーンの区切りはあくまで目安という位置づけも変わっていません。
動き方の基準が3つ緩んだ
技術的な基準にも変更があります。
スキーエルグ: 25/26版から両足を浮かせること自体は認められていましたが、26/27版はさらに踏み込み、ジャンプするような動的な動きを明文で許可しました。ジャンプ中に足が一時的に台から離れても構わないが、着地したときは台の上に戻らなければなりません。台以外の床に足が触れた場合だけ反則になります。
バーピーブロードジャンプ: 25/26版は両足を完全に揃えて着地・離地しなければならず、足をずらすことは常に禁止されていました。26/27版は前後の足のずれを5cmまで許容するようになりました。5cmを超えるずれは引き続き反則になります。
ローイング: 25/26版は運動中ずっと足をフットプレートに乗せていることを求め、1000m完了後は座ったまま挙手して審判の確認を受けてから降りる必要がありました。26/27版は、座ったままであれば途中で足をフットプレートから離して休むことを認めるようになりました。ただし立ち上がる・座席を離れる・マシンから降りることは、審判が完了を確認するまでできません。
サンドバッグランジの反則は毎回15秒に単純化された
25/26版は、サンドバッグを両肩から外して負荷を逃すと、1回目は警告なしで15秒のペナルティ、2回目の違反で失格になるという段階式でした。26/27版はこの段階を無くし、違反のたびに一律15秒のペナルティに単純化しています。
細かい変更点
- ウォールボールのラック下の通行: 25/26版は「ラックの下を走ってフィニッシュエリアへ向かうことは禁止」と明記していましたが、26/27版は「障害物やスタッフを避けるため、ラック下を走ることは推奨されない」という表現に変わり、禁止事項ではなくなりました。
- スタートトンネル: 26/27版で、スタートウェーブが始まった後もスタートトンネル内に留まっている選手に1分のペナルティを科せる規定が新設されました。

上位を目指す人向けの資格制度は章ごと作り直された
通常のレースに出場する分にはここまでの変更が関わるすべてで、これから紹介する変更は上位を目指す選手だけに関わります。25/26版にあった「リージョナル選手権」の章と、時間による資格取得を含む旧「Elite 15資格制度」の章は、26/27版では丸ごと「Elite Race Series 26/27資格制度」という新しい章に置き換わりました。HYROX Athlete Licenceの取得と、直近365日のローリングウィンドウで合算するポイント制が骨格になっています。
この新しい資格制度は範囲が広いため、詳しくはHYROXのElite 15とはにまとめています。
ルール全体の要点はHYROXのルールまとめにまとめています。
KEY TAKEAWAYS
- 最大の変更は「8種目のどれか1つでも完了しないと失格になる」というIncomplete Station規定の新設。以前はスキーエルグ・ローイング・ウォールボール・ソリ・ファーマーズキャリーで時間ペナルティのみで済む余地がありました
- ランジ・バーピーブロードジャンプ・ファーマーズキャリーで追い越しが明文化されました(以前はバーピーブロードジャンプだけ)
- スキーエルグのジャンプ動作許可、バーピーブロードジャンプの着地5cm許容、ローイングの休み方緩和など、動き方の基準が3つ緩みました
- サンドバッグランジの反則は毎回15秒に単純化(以前は2回目で失格)
- ウォールボールラック下の通行は禁止から非推奨に。スタートトンネル滞留に1分のペナルティが新設されました
- 上位を目指す人向けの資格制度は章ごと作り直されました。詳しくは別記事へ
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