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HYROXでグローブは必要? ルール上の扱いと選び方

HYROXの公式ルールブックは、レース中に使ってよい持ち物を7点だけ明記しています。そのうちの1つがグローブですが、原文は「グローブ(グリップ器具は除く)」としており、単純に「使える」で終わる話ではありません。ルールブック(シングルス・ダブルス・リレー3冊、2026/27シーズン)の原文から、許可品の範囲、途中で他の人と用具をやりとりできない決まり、チョークとの使い分け、種目ごとにグリップがどこまで問われるかを整理しました。

HYROXでグローブは必要? ルール上の扱いと選び方

HYROX(ハイロックス)の公式ルールブックは、レース中に使ってよい持ち物を7点だけ明記しています。そのうちの1つがグローブです。ただし原文は「グローブ(グリップ器具は除く)」と書かれており、単に「使える」で終わる話ではありません。

この記事では、HYROX公式のルールブック(シングルス・ダブルス・リレーの3冊、2026/27シーズン版)の原文から、グローブを含む持ち込み許可品の範囲、チョークとの使い分け、種目ごとにグリップがどこまで問われるかを整理します。

01

レース中に使ってよい物は7点だけで、そこにグローブが含まれる

ルールブックには「レース中に使用・着用してよい物」として、次の7点が列挙されています。

  • ニースリーブ
  • グローブ(グリップ器具は除く)
  • ウエイトリフティングベルト
  • リストバンド
  • ハイドレーションパック
  • 処方された喘息用吸入器等
  • 呼吸器系の医療機器

この7項目は、シングルス・ダブルス・リレーの3冊すべてで同じ文言です。グローブは明記された許可品の1つであり、着用してよいかどうかで迷う必要はありません。

HYROXのルールブックが定める、レース中に身につけてよい7点のリストと、明記が無い物は原則すべて禁止という条文を示したカード
出典:HYROX ルールブック シングルス・ダブルス・リレー(2026/27シーズン)§10.1(リレー版は§8.1)

ルールブックはこの7点に続けて、「ここに明記されていない物品は、原則としてすべて禁止とみなされる」と定めています。禁止物品は没収され、レース終了後にカスタマーサービスデスクで返却を受けられます(大会ディレクターから事前に書面の許可を得た場合を除く)。

02

「グリップ器具」が具体的に何を指すかはルールブックに書かれていない

許可品リストの2番目、原文は「Gloves [not grips]」——グローブは可、グリップ器具は不可、と書かれています。ただし「グリップ器具」が具体的に何を指すかは、ルールブックのどこにも定義されていません。禁止物品を個別に列挙した別の条項(ヘッドホン・携帯電話・VRヘッドセット・ヘルメット等)にも、グリップ器具は名指しされていません。

公式に読み取れるのは、次の2点だけです。

  • 手を覆う「グローブ」は明記された許可品
  • グローブとは別の「グリップ器具」は、許可品リストに含まれていない以上、原則禁止の側に入る

境界線上の製品を使いたい場合、判断が難しいときは大会運営に事前に確認するのが確実です。ルールブック自身が「大会ディレクターへの事前の書面申請」という手続きを用意しています。

03

許可された持ち物も、途中で他の人とやりとりすることはできない

許可された持ち物を使う場合、レースのスタートからフィニッシュまで身につけ続ける必要があります。ルールブックは「これらの物品は、途中で誰かに手渡したり、誰かから受け取ったりすることはできない」と明記しており、違反すると外部からの補助とみなされ、失格につながる可能性があります。

友達やパートナーとダブルス・リレーに出る場合、この規定は見落としやすいポイントです。たとえば「途中でグローブを忘れたことに気づいて、応援に来た人から受け取る」「チームメイトと交代で1つのグローブを使い回す」といった行為は、この規定に触れます。グローブを使うなら、各自が自分の分をスタート時点から身につけておく必要があります。

04

チョークが使えるのはスレッドプルとファーマーズキャリーの2種目だけ

HYROXでは、粉末チョークの使用も認められています。ただし使える場面は、グローブよりずっと限定的です。

  • チョークが使えるのはスレッドプルとファーマーズキャリーの2種目だけ。他の種目で使うと2分のペナルティになります
  • 使えるのは大会が用意したチョークのみ。自分のチョークを持ち込む、大会のチョークを別の場所へ持ち出す、のどちらも2分のペナルティです
  • ウォールボールも、粉末チョークの使用は認められていません(2分のペナルティ)。これは他の非対象種目と同じ「スレッドプル・ファーマーズキャリー以外でチョークを使うと2分」という一般規定と同じ罰則で、ウォールボールについてはルールブックが条文でも重ねて明記しています。ボールは両手で持つ種目ですが、この種目でチョークは使えません

グローブは全種目で使える一方、チョークは2種目に限られます。この違いを覚えておくと、種目ごとにどちらで対応するかの判断がしやすくなります。

05

グローブが効く場面と効かない場面を種目ごとに整理する

8種目のうち、公式サイトの種目紹介が「腕」や「握力」に触れている種目と、チョークが使える種目を並べると、グローブが実際に効きそうな場面が絞り込めます。

HYROXの8種目について、チョークが使えるかと、公式サイトの種目紹介が腕・握力に言及しているかを示したマトリクス。スレッドプルとファーマーズキャリーの2種目だけ両方に該当することを示している
出典:HYROX ルールブック/公式サイト種目紹介(2026年9月26日確認)

スレッドプルとファーマーズキャリーは、チョークが使える2種目であると同時に、公式サイトの種目紹介がそれぞれ「上腕二頭筋」「握力」を名指ししている種目でもあります。海外のトレーニングガイドでも、この2種目は「握力への依存が大きい」「握力と体幹の安定性が主役になる」と繰り返し紹介されています。

一方、次の種目は、グローブが必要という根拠が公式の情報から見当たりません。

  • スレッドプッシュ: 両手でポールを持って押す種目です(持つ高さは海外の複数の解説で見解が分かれています)。ただし公式サイトの種目紹介は下半身の筋肉だけを挙げており、腕や握力への言及はありません
  • サンドバッグランジ: ルールブックは「サンドバッグはランジを行う選手の両肩に完全に乗せた状態を保たなければならない」と定めています。地面や体の他の部分に置いて負荷を逃がすと反則になる、手で握り続ける種目ではなく肩で担ぐ種目です
  • ウォールボール: ボールは両手で持ちますが、この種目でのチョーク使用は禁止(2分のペナルティ)で、ルールブックにも重ねて明記されています。手が滑る場合の対処は、この種目ではチョークではなくグローブが選択肢になります
  • スキーエルゴ: 公式サイトは「腕・肩・体幹」を使う種目としていますが、チョークが使える対象種目には入っていません

スレッドプルとファーマーズキャリーは、海外のトレーニングガイドで握力への依存が指摘され、かつルールブック上チョークという代替手段を使える唯一の2種目です。それ以外の種目でグローブを検討する場合は、チョークという選択肢が無いことを踏まえた判断になります。

06

KEY TAKEAWAYS

  • ルールブックが使用・着用を許可しているのは7点だけで、グローブはそのうちの1つ(グリップ器具は除く)
  • 「グリップ器具」が何を指すかの定義はルールブック中に見当たらず、許可品リストに無い物は原則禁止という条文だけがある。境界線上の製品は大会運営に事前確認するのが確実
  • 許可された持ち物は、スタートからフィニッシュまで身につけ続ける必要があり、途中で他の人へ手渡す・受け取ることはできない(友達・パートナーと出る場合に見落としやすい)
  • チョークが使えるのはスレッドプルとファーマーズキャリーの2種目だけ。他の種目で使うと2分のペナルティで、ウォールボールについてはルールブックが同じ罰則を条文でも重ねて明記している
  • 公式の種目紹介が腕・握力に触れているのもスレッドプルとファーマーズキャリーの2種目。サンドバッグランジは肩担ぎ、スレッドプッシュは下半身が主体で、グローブの必要性は種目によって差がある
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