EXERCISE GUIDE · Sled Pull
スレッドプルとは|引き方のコツ・HYROXの重さとルール・練習できるジム
重りを載せたソリ(スレッド)をロープで手繰り寄せるトレーニングです。引き方のコツ、HYROXでの重さとルール、大会での区間タイムの目安、スレッドを使えるジムをまとめています。
IN HYROX
- 順番
- 8種目の3番目
- 規定
- 50m全部門共通
- 部門で違う
- 重さ(ソリ込み) 78kg・103kg・153kg
- 注意
- 4レーン(50m)を完了せずにソリ・プルを終えると、レーン不足=種目未完了として失格になる。
HYROX ルールブック 26/27シーズン
スレッドプル(Sled Pull)は、重りを載せたソリ(スレッド)をロープで手繰り寄せるトレーニングです。公式サイトの種目紹介では、臀筋・背中・上腕二頭筋・体幹全体を使う種目とされています。
フィットネスレースのHYROX(ハイロックス)では、8種目のうち3番目に行う種目で、12.5mのレーンを4本、合計50m引きます。重さはソリ込みで78kg・103kg・153kgの3段階で、どれになるかは部門で決まります。友達やパートナーと出る人が特に確認しておきたいのは、ミックスダブルスでは女性も103kgを引くことです。スレッドプッシュと違ってスレッドプル特有の反則規定もあり、常に立った姿勢を保つ必要があります。
このページでは、海外のトレーニングガイドを読み比べた引き方のコツと、HYROX公式のルールブック(シングルス・ダブルス・リレーの3冊、2026/27シーズン版)の原文にある重さ・ルール、大会での区間タイムの目安、スレッドを使えるジムをまとめています。
引き方のコツ
引き方は大きく2通り。分け方は記事によって違う
海外のHYROXトレーニング指導の記事を読み比べると、引き方は大きく「体重を後ろにかけて歩いて下がる」やり方と「ロープを腕で手繰り寄せる」やり方の2つに分かれます。ただし、この2つをどう分類するかは記事によって違います。
PureGymは「ウォーキングバックテクニック」(脚の力で歩いて下がる)と「アッパーボディテクニック」(膝を曲げてハンドオーバーハンドで引く)の2つとして紹介しています。Hybrid Athlete Clubはさらに「ヒップエクステンション」(脚と臀部で床を蹴ってロープを引く、ハンドオーバーハンドより強い力が出る)を加えた3つに分けています。一方でVirtuosityは、上体を約45度後ろに倒しながらハンドオーバーハンドで引く一連の動きとして説明しており、体重を使う引き方と腕で手繰る引き方を明確に分けていません。
重い部門ほど体重を使う引き方が向くという点は、Hybrid Athlete ClubとVirtuosityで一致しています。Hybrid Athlete Clubは「ウォークバック方式はプロ部門でよく使われ、重いソリに最も効率がよい」とし、Virtuosityも「腕だけで引かず、重力と背面の筋肉に仕事をさせる」ことを勧めています。
姿勢と握力はトレーニングガイドが一致
構えについては、PureGymとHybrid Athlete Clubがどちらも、デッドリフトに似た姿勢(足を腰の真下に置き、背中はまっすぐ、体幹を締める)を勧めています。
握力への言及も2件で一致しています。PureGymは主働筋の一覧に前腕(握力に関わる部分)を挙げ、ファーマーズウォークとデッドハングを握力強化の練習に勧めています。Hybrid Athlete Clubも「スレッドプルは数少ない、握力に大きく依存する種目」として、握力強化を最後の助言に挙げています。使う筋肉についても、PureGymが上半身(広背筋・二頭筋・前腕・肩)を中心に挙げており、Gymsharkもスレッドプッシュとの対比で「プルは背中・二頭筋・脊柱起立筋など体の背面をより多く使う」としています。
1回のロープの引く長さは意見が分かれている
ハンドオーバーハンドで引くときの1回分の長さは、記事によって助言が逆です。Virtuosityは「40〜60cmの長い引きを。細切れに速く引くと前腕を消耗するだけで進まない」とする一方、Hybrid Athlete Clubの「ハンドオーバーハンド」の項では「大きく振らず、短く小刻みに引く」ことを勧めています。
どちらも対象にしている引き方が完全に同じとは限らず(Virtuosityは体重を使う引き方、Hybrid Athlete Clubは腕主体のハンドオーバーハンドを指している可能性があります)、どちらが正しいかを判断できる公式の出典は見つかりませんでした。両方を知ったうえで、自分の体格や部門の重さに合わせて試すのがよいでしょう。
HYROXでの重さ(ソリ込み)
重さはすべてソリ本体を含んだ値です。3冊のルールブックの表をまとめると、次のとおりです。
| 重さ(ソリ込み) | 部門 |
|---|---|
| 78kg | シングルス 女子/ダブルス 女子/リレー 女子 |
| 103kg | シングルス 男子/シングルス 女子プロ/ダブルス 男子/ダブルス ミックス/ダブルス 女子プロ/リレー 男子 |
| 153kg | シングルス 男子プロ/ダブルス 男子プロ |
距離は50mで、どの部門でも同じです。
出典:HYROX ルールブック(シングルス・ダブルス・リレー、26/27シーズン)

ミックスダブルスでは女性も103kgを引く
ミックスダブルスの重さは、男子オープン・女子プロと同じ103kgです。女子のシングルスやダブルス(78kg)と比べると、女性が引く重さは25kg増えます。パートナーとミックスで出るなら、女性も103kgで練習しておく必要があります。
同じ部門で比べると、スレッドプルの重さはスレッドプッシュより軽く設定されています(例: 男子オープンは押しが152kg・引きが103kg)。ただし、スレッドプルはプッシュの直後に3本目のランを挟むだけですぐ来るため、重さが軽いからといって楽になるわけではありません。
リレーの重量表には女子と男子の2列しかない
リレーは4人のチームで、1人が1kmのランを2本と、それに続く2種目を担当します。ルールブックの重量表は女子(78kg)と男子(103kg)の2列だけで、ミックスの列はありません。ミックスのリレー(女子2人・男子2人)では各自が自分の性別の重さを引くと読むのが自然ですが、そう明記されてはいません。
HYROXのルールと反則
HYROXは1kmのランと種目を交互に8回繰り返すレースで、スレッドプルは2本目のスレッドプッシュの次、3本目のランのあとに来ます。12.5mの線をソリ全体が越えたら、反対側まで走ってソリを引き戻します。

シングルスのルールブックに書かれている決まりは8つです。
- 審判が割り当てたレーンを必ず使う
- スタート前は、ソリも選手も自分のボックスの中に置く
- ロープを持っている間は、ボックスの前後の線を踏まない
- 向きを変える前に、ソリ全体が12.5mの線(レーンの端)を越える
- 12.5mの線を越えたら、反対側まで走ってソリを引き戻す
- 常に立った姿勢を保つ。座った・膝をついた姿勢で引いてはいけない
- ロープはレーンの中に収める。後ろにはみ出してもよいが、隣のレーンを妨げない
- 4本目でソリ全体が線を越えたら終了
このうち「常に立った姿勢を保つ」はスレッドプッシュには無い、スレッドプル特有の決まりです。押す動作と違い、引く動作は前傾や膝立ちの姿勢に流れやすいため、意識して立ったまま引く必要があります。
これらの決まりのうち、ボックスの位置・姿勢・ロープの扱いなどスレッドプル特有の決まりに反すると、1回目は警告、2回目は15秒のペナルティ、それ以降は1回ごとに15秒が加算されます。ただし1番目の「割り当てられたレーンを必ず使う」は、全種目共通のルール(割り当てられた器具・レーン・ウォールボールの位置以外を使うと1回につき2分のペナルティ)にも同じ内容が定められており、レーンの取り違えにこの警告制と2分のペナルティのどちらが適用されるかは、ルールブック自体が明記していません。レーンを間違えても最初は警告で済むとは限らないため、割り当てられたレーンは必ず確認してください。4本(50m)を引き切らずに終えると、種目未完了として失格になります。
リレーの決まりはシングルスと同じ8つです。リレーは1人が2種目を担当するので、スレッドプルは担当の1人が最初から最後まで引きます。ダブルスのような交代の決まりはありません。
ダブルスで出る場合に加わるルール
ダブルスは、1人が引いている間にもう1人が休み、交代しながら進める方式です(ルールブックでは「You Go I Go」と呼ばれています)。ルールブックのYGIG説明(ローイングを例に「自己申告の距離」で交代するとしている箇所)にならえば、交代するタイミングは2人で決められるとみられますが、スレッドプルの区間そのものにこれを明記した条文は見当たりません。
スレッドプル特有の決まりは、休んでいる人は引いている人の後ろにいて、手や足でロープの操作を一切手伝ってはいけないことです。声や動作での指示は、ボックスのラインを踏んだりボックスの中に入ったりしない範囲でしてよいとされています。この決まりは海外のトレーニングガイドでも同様に説明されており、ロープが足元にたるんで絡まないよう、引いている本人が管理する必要があります。
このほか、ダブルスには全種目に共通する決まりがあります。
- ランのあとは2人そろってステーションに入り、そろうまで始められない。終わったら2人そろって出る
- 休んでいる人は立ったままでいる。膝をつく、座るなど、体の一部が床につく姿勢は取れない
チョークの使用が認められている
HYROXでは基本的にチョークの使用が禁止されていますが、スレッドプルとファーマーズキャリーの2種目だけ例外として認められています。それ以外の種目でチョークを使うと2分のペナルティです。使えるのは大会が用意したチョークのみで、自分のチョークを持ち込む・大会のチョークを持ち出すのも2分のペナルティになります。ロープを握り続ける種目だからこその例外です。
大会での区間タイムの目安
日本の大会で、完走タイムが中央値付近だった人がスレッドプルに何分かけていたかを、公開されている結果から集計しました。
| 部門 | この種目の区間タイム | 見本にした人の完走タイム | 完走者数 |
|---|---|---|---|
| シングルス 男子 | 4:51〜7:25 | 約1:34:14 | 1,995人 |
| シングルス 女子 | 5:11〜8:49 | 約1:38:54 | 799人 |
HYROX千葉2026で、完走タイムが中央値付近だった人(部門ごとに5人)の区間タイムの最短〜最長です。公式の公開結果から編集部が集計したもので、人が全件を手で確かめたデータではありません。
8種目それぞれの時間のかかり方は種目ごとのタイムにまとめています。
スレッドを使えるジム
スレッドを引くには、人工芝などのレーンとロープが要るため、置いているジムは限られます。HYBRID INDEXのジムDBで、スレッドプルができる設備を確認できた施設は次のとおりです。
35施設(ジムDBの156施設のうち・2026年10月24日時点)
東京都13
| 施設 | 場所 | HYROX認定 | ビジター |
|---|---|---|---|
| GYM FIELD 立川スタジオ | 立川市 | あり | 可(4,400円) |
| JGFS五反田 | 品川区 | — | 可(3,300円) |
| Orangetheory Fitness 三鷹 | 三鷹市 | あり | 可 |
| Orangetheory Fitness 下北沢 | 世田谷区 | あり | 可 |
| Orangetheory Fitness 八王子 | 八王子市 | あり | 可(4,400円) |
| Orangetheory Fitness 東久留米 | 東久留米市 | あり | 可 |
| Orangetheory Fitness 武蔵小金井 | 小金井市 | あり | 可 |
| Orangetheory Fitness 町田 | 町田市 | あり | 可(4,400円) |
| Orangetheory Fitness 自由が丘 | 目黒区 | あり | 可 |
| Orangetheory Fitness 麻布十番 | 港区 | あり | 可(5,500円) |
| UFC GYM 用賀(UFC Gym YOGA) | 世田谷区 | — | — |
| ゴールドジム東陽町スーパーセンター | 江東区 | — | 可(3,080円) |
| ハイアルチ下北沢(HYROXフラグシップ店) | 世田谷区 | — | 可(5,000円) |
東京のジムの詳しい情報(設備・料金・予約の方法)
神奈川県4
| 施設 | 場所 | HYROX認定 | ビジター |
|---|---|---|---|
| GYMFIT -BRC- 溝の口店 | 川崎市 | — | 可(5,000円) |
| Orangetheory Fitness 溝の口 | 川崎市 | あり | 可 |
| Orangetheory Fitness 関内 | 横浜市 | あり | 可 |
| Orangetheory Fitness 青葉台 | 横浜市青葉区 | あり | 可 |
神奈川のジムの詳しい情報(設備・料金・予約の方法)
千葉県5
| 施設 | 場所 | HYROX認定 | ビジター |
|---|---|---|---|
| Orangetheory Fitness 本八幡 | 市川市 | あり | 可 |
| SureGym君津 | 君津市 | — | 可(2,980円) |
| ゴールドジム千葉ニュータウン | 印西市 | あり | — |
| ゴールドジム浦安千葉 | 浦安市 | — | — |
| ビークイック イオンタウン館山 | 館山市 | — | 可 |
千葉のジムの詳しい情報(設備・料金・予約の方法)
埼玉県2
| 施設 | 場所 | HYROX認定 | ビジター |
|---|---|---|---|
| GYM FIELD 所沢スタジオ | 所沢市 | あり | 可(4,400円) |
| Orangetheory Fitness 浦和 | さいたま市 | あり | 可(4,400円) |
埼玉のジムの詳しい情報(設備・料金・予約の方法)
愛知県3
| 施設 | 場所 | HYROX認定 | ビジター |
|---|---|---|---|
| HTC CHIKUSA | 名古屋市中区 | — | 可 |
| Orangetheory Fitness 八事スタジオ | 名古屋市昭和区 | あり | 可 |
| Orangetheory Fitness 池下スタジオ | 名古屋市千種区 | あり | 可 |
愛知のジムの詳しい情報(設備・料金・予約の方法)
大阪府5
| 施設 | 場所 | HYROX認定 | ビジター |
|---|---|---|---|
| GYM FIELD 堺東 | 堺市 | あり | 可 |
| GYM FIELD 東大阪 | 東大阪市 | あり | 可 |
| GYM FIELD 梅田 | 大阪市 | あり | 可 |
| GYM FIELD 豊中 | 豊中市 | あり | 可 |
| ReXeR本町 | 大阪市 | — | — |
大阪のジムの詳しい情報(設備・料金・予約の方法)
兵庫県3
| 施設 | 場所 | HYROX認定 | ビジター |
|---|---|---|---|
| CrossFit芦屋 | 芦屋市 | あり | 可(5,500円) |
| クロスフィット宝塚 | 宝塚市 | — | 可(4,750円) |
| クロスフィット尼崎 | 尼崎市 | あり | 可(4,400円) |
兵庫のジムの詳しい情報(設備・料金・予約の方法)
設備は施設の公式サイトなど公開されている情報で確認したものです(台数・空き状況・ビジターの条件は変わることがあるので、行く前に施設に確かめてください)。ビジター欄の「—」は情報を確認できていない施設です。
1つ前の種目であるスレッドプッシュと合わせて練習しておくと、大会で実際に来る順番(プッシュ→ラン→プル)に近い形で当日の疲労感を確認できます。スレッドが無いジムで練習する方法はスレッドプルの代用トレーニングにまとめています。
SOURCES
- HYROX Rulebook Singles(HYROX World GmbH)
- HYROX Rulebook Doubles(HYROX World GmbH)
- HYROX Rulebook Relay(HYROX World GmbH)
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