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ルール · 20 MIN READ

HYROXのアダプティブ部門とは:13のクラス、種目ごとの距離と重さ、日本の大会での申し込み

HYROXには、恒久的な機能障がいのある人が出場するアダプティブ部門があります。13のクラスに分かれ、クラスごとにランの距離、8種目の距離・重さ・回数、動作が決められています。公式のアダプティブ用ルールブック(日本語版・2026/27シーズン)を原文で読み、クラスの違い、種目ごとの調整、器具とガイドランナーの決まり、大阪2027の日程と申し込みの入力項目、公式の資料で確認できなかった点をまとめました。

HYROXのアダプティブ部門とは:13のクラス、種目ごとの距離と重さ、日本の大会での申し込み

HYROX(ハイロックス)には、恒久的な機能障がいのある人が出場する「アダプティブ」(HYROX ADAPTIVE)という部門があります。下肢、上肢、低身長、視覚障がい、ろう・難聴、神経系、座位(車いす)の区分をもとに13のクラスに分かれ、クラスごとにランの距離、8種目の距離・重さ・回数、動作が決められています。出場するには、13のクラスのどれかに、正式にクラス分けされていなければなりません。膝や股関節の手術のような一時的なケガは対象になりません。

日本では、横浜2025・大阪2026・千葉2026の3大会の公式結果にアダプティブの一覧があり、千葉大会には27人が出場しました。2027年1月の大阪大会にも、男女別のアダプティブの券種があります。価格はシングルスと同じ27,500円(サービス料別、2026年9月26日時点)です。2027年4月の名古屋大会は、大会ページにアダプティブの記載がありません(2026年10月4日時点)。

この記事は、HYROX Japanが公開しているアダプティブ用のルールブック(日本語版・2026/27シーズン)を原文で読み、13のクラスの違い、種目ごとの調整、器具とガイドランナーの決まり、日本の大会での申し込みをまとめたものです。日本語版には、英語版と食い違う場合は英語版が優先されると書かれています。英語版のアダプティブ用ルールブックは、この記事では確認していません。クラス分けの判定の流れのように、公式の資料に書かれていなかったことは、後半に一覧で示します。

01

アダプティブ部門の対象は恒久的な機能障がいがある人

ルールブックは、アダプティブのクラスを、恒久的な機能障がいのある人のためのものと定めています。出場資格を得るには、13のクラスのいずれかに正式にクラス分けされる必要があります。年齢の条件は、競技当日に16歳以上であることです。

一時的なケガのある人は、アダプティブの対象になりません。ルールブックは、例として膝や股関節の手術を挙げています。ケガのために動作や重さ、回数を変える必要があるときは、前もってHYROXチームに連絡するよう、シングルス用のルールブックは案内しています。調整して出たときの結果は「アウト・オブ・コンペティション」(非競技扱い)で、公式ランキングと出場枠の対象から外れます。年齢、妊娠中、ケガのときの決まりはHYROXの参加条件にまとめています。

自分の機能障がいが13のクラスのどれにも当てはまらない場合は、HYROXへ直接連絡するよう書かれています。クラス分けの制度は改善を続けている途中のもので、フィードバックを重視するとも書かれています。

ルールブックには、呼び方についての説明もあります。HYROXは、出場する人を診断名ではなく「アダプティブアスリート」と呼びます。すべての出場者をまず1人のアスリートとして認め、診断名はその次に置く、という考え方によるものです。

02

アダプティブ部門の13のクラスと機能ポイント

13のクラスは次の表のとおりです。ルールブックはこれらを「部門(ディビジョン)」と呼んでいますが、この記事では、オープンやプロなどの部門と区別するために「クラス」と書きます。ルールブックの種目ごとの表には、どのクラスにも女性と男性の数字があり、重さ、的の高さ、座位のクラスのスレッドの本数が性別によって変わります。

クラス

対象になる人(ルールブックの説明の要約)

機能ポイント

下肢 重度

片脚か両脚に重い機能障がいがある人(例:膝より上での切断)

3.0

下肢 軽度

脚に中程度の制限がある人(例:膝より下での切断、筋力の低下)。歩くこと、走ることはできる

4.5

上肢 重度

片腕か両腕に重い機能障がいがある人、四肢欠損のある人(例:肘より上での切断)

3.0

上肢 軽度

腕に部分的な制限がある人(例:肘より下での切断、握力の低下)

4.5

低身長

骨の疾患(例:軟骨無形成症)のために立ったときの身長が低い人

4.0

視覚障がい

目、または視覚に関わる脳の部位に、永続的な機能障がいがある人

4.0

ろう・難聴

永続的な聴覚の喪失がある人

5.0

神経系 重度

2つ以上の手足に影響する重い神経系の障がいがある人。移動にはふつう車いす、歩行器、補装具を使う

2.0

神経系 中等度

中程度の神経系の障がいがある人(体の片側に影響する片まひなど)。歩けるが、装具や時々の支えが必要なことがある

3.5

神経系 軽度

軽い神経系の障がいがある人(ふつうは1つの手足に影響)。介助なしに歩くこと、走ることができる

4.5

座位・股関節機能あり(SWHF)

立つこと、歩くことはできないが、股関節の機能が残っている人

2.5

座位・股関節機能なし(SWOHF)

股関節を動かせない人。体幹や上半身の機能は残っていることがある

1.5

座位・体幹機能なし(SWOC)

股関節と体幹の両方の機能を失っている人。上半身の機能は残っていることがある

1.0

機能ポイントは、機能障がいがHYROXのパフォーマンスに与える影響の度合いを、1.0〜5.0の数字で表したものです。数字が小さいほど影響が大きいことを示します。ルールブックの付録は、1.0〜2.5を「低ポイント」、3.0〜4.0を「中間ポイント」、4.5〜5.0を「高ポイント」と分けています。

HYROXのアダプティブ部門の13のクラスを機能ポイントごとに並べた図。低ポイント(1.0〜2.5)は座位・体幹機能なし1.0、座位・股関節機能なし1.5、神経系 重度2.0、座位・股関節機能あり2.5。中間ポイント(3.0〜4.0)は下肢 重度3.0、上肢 重度3.0、神経系 中等度3.5、低身長4.0、視覚障がい4.0。高ポイント(4.5〜5.0)は下肢 軽度4.5、上肢 軽度4.5、神経系 軽度4.5、ろう・難聴5.0。導入予定のアダプティブ・ダブルスは2人の合計が7.0まで
出典:HYROX アダプティブ用ルールブック日本語版(2026/27シーズン)付録/2026年10月5日確認

クラスの説明には、器具に関わる区別も書かれています。上肢 重度の選手は「2PT」と指定され、握りを補助するストラップやフックを使えます。上肢 軽度の選手は「1PT」と指定され、ストラップは使えません。視覚障がいのクラスは、ガイドランナーを利用できると説明されています。ろう・難聴は、パラリンピックの対象区分には含まれませんが、競技中のコミュニケーションの壁を取り除くために設けたとあります。

重度と軽度の境目を数値で示した基準は、ルールブックに書かれていません。片まひについては、機能が比較的保たれていれば神経系 軽度、より重ければ神経系 重度に分類されることがあり、選手の機能の全体に応じて判断すると注記されています。

付録によると、クラスを表す「クラス分けコード」と、アダプティブ・ダブルスが、シーズンの中間に導入される予定です。ダブルスは、2人の機能ポイントの合計を7.0までとする決まりです。導入の日付は書かれていません。日本の大会でダブルスが開かれるかどうかも、公式の資料では確認できませんでした。いまのルールブックが案内している出方は、1人で出るシングルだけです。

ルールブックには、クラス分けコードの運用を評価するために、シーズンの中間に見直しを行うとも書かれています。出場を決めたら、その時点の最新版を確かめてください。

03

ランと8種目の距離・重さ・回数はクラスごとに決まっている

ランと1つの種目を1セットにして8回繰り返す形は、ほかの部門と同じです。ランは1セットにつき1kmが基本です。ただし、低身長と神経系のクラスは、ランが1周または2周になります(クラスごとの周回は下の表に載せています)。座位のクラスは、ランの区間を車いすで進みます。ルールブックはこれを「プッシング」と書いています。スタートは性別ごとのウェーブです。8種目の順番と内容はHYROXの8種目と順番で説明しています。

距離・重さ・回数は、クラスごとに決められています。オープンの部門の重量と比べると、13のクラスは次の4つに分けられます。

HYROXのアダプティブ部門の13のクラスを、オープンの部門と比べた違いで4つに分けた図。距離・重さ・回数がオープンと同じなのは、ろう・難聴と視覚障がいの2クラス。ランは通常距離で種目の一部が変わるのは、下肢 軽度、下肢 重度、上肢 軽度、上肢 重度の4クラス。ランの周回が減るのは、神経系 軽度、神経系 中等度、神経系 重度、低身長の4クラス。座位の3クラスは、ランの区間を車いすで進み、スキーエルゴとローイングは900m・800m・500m、ウォールボールは85回・75回・65回
出典:HYROX ルールブック(アダプティブ日本語版・シングル、2026/27シーズン)を編集部が比較/2026年10月5日確認

この図は、アダプティブ用のルールブックの表を、オープンのシングルスの決まりと1項目ずつ比べて、編集部がまとめたものです。「オープンと同じ」と書いたのは、距離・重さ・回数のことです。視覚障がいのクラスには、テザーの使用と、ウォールボールの動作の調整があります。クラスごとの数字は、次の3つの表に載せています。重さと的の高さは「女性/男性」の順です。

ランとスキーエルゴ・ローイング・バーピーブロードジャンプの距離

クラス

ラン(座位はプッシング)

スキーエルゴ・ローイング

バーピーブロードジャンプ

下肢 軽度

通常距離

1,000m

80m

下肢 重度

通常距離

1,000m

80m(条件に当てはまる人は40m)

上肢 軽度

通常距離

1,000m

80m

上肢 重度

通常距離

750m

80m(条件に当てはまる人は40m)

低身長

1周

500m

40m

視覚障がい

通常距離

1,000m

80m

ろう・難聴

通常距離

1,000m

80m

神経系 軽度

2周

1,000m

80m

神経系 中等度

2周

750m

80m

神経系 重度

1周

500m

80m(条件に当てはまる人は40m)

座位・股関節機能あり

通常距離

900m

80m(動作を置き換え)

座位・股関節機能なし

通常距離

800m

80m(動作を置き換え)

座位・体幹機能なし

通常距離

500m

80m(動作を置き換え)

ランの欄が「通常距離」のクラスは、約1,000mの区間を8回、合計8,000mを進みます。「2周」「1周」のクラスは、表にメートルの数字が無く、周回の数だけが書かれています。1周の長さは会場のコースによって違うので、何mになるかは大会ごとに変わります。1kmを1周で回るコースについては、できるだけ短い距離で対応するよう努めるが、会場の制約で対応できないこともある、という注記があります。

スキーエルゴとローイングは、2つの種目で同じ距離です。座位のクラスのローイングは、ローワーを分離して、座ったままマシンを使えるようにします。車いすが動かないようにする重りが必要な人は、登録のときとスタートの前に、スタッフへ伝えます。

バーピーブロードジャンプには、松葉杖を使う人と、ジャンプが制限される人・できない人のための置き換えがあります。表の「条件」はこのことです。当てはまる人が軽度・中等度のクラスの場合、距離は80mのままで、調整の内容は、その場でのバーピー(またはウォークアウト)2回と、松葉杖でのスイング4回(松葉杖なしなら4歩)です。当てはまる人が重度のクラスの場合は、距離が40mになり、調整の内容は、その場でのバーピー(またはウォークアウト)2回と、松葉杖での4歩(松葉杖なしでも4歩)です。重度のクラスでも、当てはまらない人の距離は80mです。

座位のクラスのバーピーブロードジャンプは、ディップと車いすのプッシュに置き換わります。股関節機能ありのクラスは前方へのディップ1回、股関節機能なしと体幹機能なしのクラスは椅子の上でのディップ2回です。どのクラスも、ディップのあとに、グリッド1区画分の車いすのプッシュを2回行います。

スレッドプッシュとスレッドプルの距離と重さ

クラス

スレッドプッシュ

スレッドプル

下肢 軽度

12.5m×4・77kg/102kg

12.5m×2・78kg/103kg

下肢 重度

12.5m×2・77kg/102kg

12.5m×2・53kg/78kg

上肢 軽度

12.5m×4・102kg/152kg

12.5m×2・78kg/103kg

上肢 重度

12.5m×2・102kg/152kg

12.5m×2・53kg/78kg

低身長

12.5m×2・77kg/102kg

12.5m×2・53kg/78kg

視覚障がい

12.5m×4・102kg/152kg

12.5m×4・78kg/103kg

ろう・難聴

12.5m×4・102kg/152kg

12.5m×4・78kg/103kg

神経系 軽度

12.5m×4・77kg/102kg

12.5m×4・53kg/78kg

神経系 中等度

12.5m×2・重さは下の説明のとおり

12.5m×2・重さは下の説明のとおり

神経系 重度

12.5m×2・重さは下の説明のとおり

12.5m×2・重さは下の説明のとおり

座位・股関節機能あり

女性は12.5m×2、男性は12.5m×4・男女とも77kg

12.5m×2・53kg/78kg

座位・股関節機能なし

女性は12.5m×2、男性は12.5m×4・男女とも77kg

12.5m×2・53kg/78kg

座位・体幹機能なし

女性は12.5m×2、男性は12.5m×4・スレッドのみ(50kg)

女性は12.5m×2、男性は12.5m×4・スレッドのみ(25kg)

重さは、スレッド(ソリ)を含めた数字です。「スレッドのみ」は表の書き方をそのまま写したもので、スレッドプッシュは50kg、スレッドプルは25kgと書かれています。

神経系 中等度と神経系 重度の重さは、この記事には載せていません。ルールブックの表に2通りの重さが「/」で並んでいて、どちらをどの条件で使うのかが書かれていないためです。たとえばスレッドプルの欄は、2つのクラスとも「スレッドのみ[25KG]/53KG(スレッド含む)[女性/男性]」と書かれています。「/」の前後が女性と男性に対応するのか、別の条件で使い分けるのかは、表からは分かりません。この2つのクラスで出る人は、申し込みの前にHYROX Japanに確かめてください。

動作の置き換えもあります。座位のクラスのスレッドプッシュは、スレッドをストラップで車いすにつなぎ、スレッドの前の部分を引いて白線を越えさせます。ストラップは自分で持っていき、登録のときとスタートの前に、ステーションへの設置が必要なことをスタッフへ伝えます。下肢のクラスは、スレッドプルを座って行います。種目の基本の動きはスレッドプッシュとスレッドプルのページで説明しています。

ファーマーズキャリー・サンドバッグランジ・ウォールボールの距離・重さ・回数

クラス

ファーマーズキャリー

サンドバッグランジ

ウォールボール(回数・ボール・的の高さ)

下肢 軽度

200m・16kg/24kgを2個

100m・10kg/20kg

100回・4kg/6kg・2.70m/3.00m

下肢 重度

200m・12kg/16kgを2個

100m・5kg/10kg

100回・2kg/4kg・2.70m/3.00m

上肢 軽度

200m・16kg/24kgを1個

100m・10kg/20kg

100回・4kg/6kg・2.70m/3.00m

上肢 重度

200m・12kg/16kgを1個

100m・10kg/20kg

100回・4kg/6kg・2.70m/3.00m

低身長

100m・12kg/16kgを2個

50m・5kg/10kg

50回・2kg/4kg・2.00m/2.30m

視覚障がい

200m・16kg/24kgを2個

100m・10kg/20kg

100回・4kg/6kg・2.70m/3.00m

ろう・難聴

200m・16kg/24kgを2個

100m・10kg/20kg

100回・4kg/6kg・2.70m/3.00m

神経系 軽度

200m・16kg/24kgを2個

100m・5kg/10kg

100回・4kg/6kg・2.70m/3.00m

神経系 中等度

100m・16kg/24kgを2個

50m・5kg/10kg

100回・4kg/6kg・2.00m/2.30m

神経系 重度

100m・12kg/16kgを2個

50m・5kg/10kg

100回・2kg/4kg・2.00m/2.30m

座位・股関節機能あり

200m・16kg/24kgを1個

50m・10kg/20kg

85回・2kg/4kg・2.00m/2.30m

座位・股関節機能なし

200m・16kg/24kgを1個

50m・10kg/20kg

75回・2kg/4kg・2.00m/2.30m

座位・体幹機能なし

200m・12kg/16kgを1個

50m・5kg/10kg

65回・2kg/4kg・2.00m/2.30m

ファーマーズキャリーの「2個」「1個」は、持つケトルベルの数です。座位のクラスは、ケトルベル1個を膝の上に置いて片手を添え、もう一方の手で車いすを押します。膝に敷くマットはHYROXが用意します。片腕で種目を行う人と、松葉杖などの移動を助ける道具を使う人は、片手でケトルベル1個を持ちます。松葉杖を使う人は、もう一方の手で松葉杖を使います。できる人が希望すれば、標準どおり2個を持つことも選べます。

サンドバッグランジは、座位のクラスでは動作が変わります。サンドバッグを膝の上に乗せ、片側へ下ろして地面に触れさせてから膝の上に戻し、グリッド1区画分の車いすのプッシュを2回行います。これを左右交互に繰り返します。膝の曲げ伸ばしが制限される人・できない人で松葉杖を使う人は、サンドバッグを肩に乗せて松葉杖で歩きます。

ウォールボールにも3つの調整があります。座位のクラスは、ボールを膝の上に置いた状態から始め、1回ごとにボールを膝の上に戻します。下肢のクラスと神経系 重度のクラスには、スクワットを安定させるための高さ60cmの箱(プライオボックス)が用意されます。上肢のクラスと視覚障がいのクラスは、ボールを的に投げずに、持ったままスクワットをする方法を選べます。種目の基本の動きはウォールボールのページで説明しています。

04

アダプティブ用の器具は登録時に申告する

ルールブックは、機能障がいを補うために使う道具を「アダプティブ用器具」と呼んでいます。義肢、車いす、視覚や聴覚の補助具、専用のグリップ補助具が含まれます。器具についての決まりは次のとおりです。

  • 器具は、参加を可能にするか、選手を守るためのものでなければなりません。自然な動作を超える力学的な優位性を与えるものは使えません
  • 専用の器具は、すべて登録のときに申告します。申告していない器具を使い、それがはっきりしたパフォーマンスの向上につながった場合は、タイムペナルティが科されることがあり、重大な場合は失格になることがあります。付録の同じ項目は、ヘッドジャッジが順位を調整することがある、という書き方です
  • 日常用の車いすも使えますが、競技用の車いすが勧められています
  • 視覚障がいの選手は、伸びない素材のテザー(ルールブックの訳語は「命綱」)を使う必要があります。長さは腕の長さほど(約50cm)です
  • 器具の準備・装着・取り外しにかかる時間について、タイムの加算も減算もありません
  • 器具が壊れたときは、修理のための合理的な時間が与えられます。安全にすばやく直せない場合は、棄権しなければなりません

付録には、現時点では、器具の決まりを守ることは選手自身の責任だと書かれています。参加登録をした時点で、自分の器具が技術の基準を満たし、不公平な優位性をもたらさないことを確認したものとみなされます。会場での正式な安全・技術チェックは、導入に向けて運用の枠組みを整えている段階だとあります。

05

ガイドランナーは選手が自分で手配する

ルールブックは、すべての選手に、ガイドランナー、ハンドラー、サポートパーソンと一緒にレースを完了することを認めています。役割は、方向を示すことと、コースを案内することです。

ガイドランナーは選手自身が手配します。現地の法令で求められる場合を除いて、HYROXが用意することはありません。一緒に進む人はランキングに載りません。種目そのものを手伝うことも認められていません。

友人や家族がガイドランナーを務める場合に、入場の方法や当日の受付をどうするのかは、ルールブックに書かれていません。ガイドランナーをお願いする人が決まったら、申し込みとあわせてHYROX Japanに確かめてください。

06

日本の大会でのアダプティブ部門の開催状況

日本でこれまでに開かれた3大会(横浜2025・大阪2026・千葉2026)は、公式の結果サイトの部門の選択肢に、いずれもアダプティブの一覧があります(2026年10月5日時点)。この記事で確かめたのは一覧があることだけで、タイムや人数は集計していません。

千葉大会については、主催者のプレスリリースが、27人のアダプティブアスリートが参加したと伝えています。千葉大会のイベントガイドには、大会初日の前日にあたる8月5日の18時から、アダプティブ部門の選手に向けて、会場を実際に歩いて確かめるウォークスルーを行うという案内がありました。

2027年1月21日〜25日の大阪大会(インテックス大阪)は、アダプティブの出場日が男女で分かれています。

部門

出場できる日

アダプティブ・メンズ

1月21日(木)・22日(金)・23日(土)・25日(月)

アダプティブ・ウィメンズ

1月21日(木)・22日(金)・24日(日)・25日(月)

大会ページの暫定のスケジュールでは、アダプティブ・メンズはメンズオープンと、アダプティブ・ウィメンズはウィメンズオープンと、どの日も同じ時間帯に並んでいます。千葉大会のイベントガイドでも、アダプティブはオープンのシングルスと同じ時間帯でした。スケジュールは変更されることがあります。

券種の価格は、オープンやプロのシングルスと同じ27,500円です(2026年9月26日時点)。サービス料6.5%を足すと約29,288円になります。大阪大会の一般販売は2026年9月10日に始まっています。アダプティブの券種の残りは、この記事では確認していません。会場や日程の全体はHYROX大阪の大会ページにまとめています。

2027年4月16日〜18日の名古屋大会は、公式の大会ページにアダプティブの記載がありません(2026年10月4日時点)。記載が無いだけで、開かれないと決まったわけではありません。

海外では、ソウル、シンガポール、クアラルンプール、バンコクの大会にも、アダプティブ・メンズとアダプティブ・ウィメンズの出場日が設けられています(2026年9月27日〜10月4日に確認)。各大会の日程はアジアで出られるHYROX大会の比較にまとめています。

07

大阪2027のアダプティブの申し込みで入力する項目

ルールブックが案内している申し込みの手順は3つです。HYROXの公式サイトで出たい都市の登録ボタンを押し、アダプティブの部門を選び、個人情報を入力します。これで個人の参加者として登録されます。アカウントの作り方やチケットの買い方はエントリー方法の記事で説明しています。

大阪2027の券種の名前は、「HYROX ADAPTIVE MEN 障がい者メンズ」「HYROX ADAPTIVE WOMEN 障がい者ウィメンズ」に曜日が付いた形です。販売システムの公開データを見ると、この券種にだけ、次の入力項目が設定されています(2026年10月2日時点)。

項目

必須か

内容

Select Your Impairment

必須

自分の機能障がいを選ぶ項目

Adaptive Release

必須

HYROX Japanの様式の同意書(個人の健康情報の開示についての同意書)をアップロードする項目

Guide Runner First Name/Last Name/Phone Number

任意

ガイドランナーの名、姓、電話番号

同意書を求める理由は、項目の説明文に書かれています。大会のチームがアダプティブアスリートを支えるには、機能障がいについての情報をチームで共有する必要があります。医療情報の守秘に関する法令でそれが認められない場合があるため、本人の同意書を出してもらう、という説明です。「Select Your Impairment」の選択肢の中身は、公開データに含まれていませんでした。13のクラスから選ぶ形かどうかは、確認できていません。

アダプティブの8つの券種のうち7つには、説明に注意書きがあります(2026年9月26日時点)。アダプティブアスリートの定義はアダプティブ用のルールブックによること、買った人がどの定義にも当てはまらないとHYROXが判断した場合は、HYROXの裁量で払い戻しになり、ほかの部門への振り替えは行われないこと、の2つです。

土曜のアダプティブ・メンズの券種だけは、この注意書きが無く、世界選手権に出る資格は60歳以上の年代だけが対象になる、という内容の注記が付いています。メンズオープンの券種に付いているのと同じ文言です。アダプティブ用のルールブックが定める出場枠(各クラス3枠)とは内容が違い、どちらが当てはまるのかは、公式の資料では確認できませんでした。

クラス分けを、だれが、いつ、どんな書類で判定するのかは、ルールブックにも販売ページにも書かれていません。HYROX Japanの日本語版のFAQは、アダプティブアスリートの参加を歓迎するとしたうえで、サポートが必要な場合はメールで連絡するよう案内しています。FAQページの「お問い合わせ」欄には、HYROX JAPANカスタマーサービスのメールアドレス(info@hyroxjp.com)が載っています(2026年10月1日時点)。

どのクラスになるかに迷う人、申告する器具がある人、ストラップの設置やローイングの重りが必要な人は、チケットを買う前に問い合わせておくと、買ったあとの行き違いを減らせます。

08

アダプティブ部門のランキングと世界選手権の出場枠

順位は、大会ごとに、同じクラスの中でタイムの速い順に付きます。年齢別(エイジグループ)の順位もあります。同じクラスに同じ選手が2回出た場合は、速いほうのタイムだけが対象です。結果は大会が終わるとすぐ公式の結果サイトで公開されます。結果の探し方はHYROXの結果の見方で説明しています。

アダプティブの選手にも、世界選手権に出る道があります。出場枠は、シーズンを通じて各クラス3枠です。HYROXが事前に決める予選の対象期間のなかで、各クラスの最速タイムの上位3人が招待されます。出場した選手はクラスごとに競い、クラス別の世界チャンピオンが決まります。賞金と、総合優勝のタイトルは対象外です。大阪2027の土曜のアダプティブ・メンズの券種には、これと内容の違う注記が付いています(申し込みの節に書きました)。世界選手権の全体の仕組みは世界選手権への道にまとめています。

09

友人や家族が一緒に出る・応援するときにできること

友人や家族の関わり方は、3つ考えられます。

1つ目は、同じ日に自分もレースに出ることです。大阪2027の暫定のスケジュールでは、アダプティブは同性のオープンのシングルスと同じ時間帯に並んでいます。同性の友人がオープンのシングルスで出るなら、同じ日の近い時間帯になる見込みがあります。個人のスタート時刻は主催者が割り当て、大会の前に知らされます。時刻が決まる流れはスタート時間の記事で説明しています。

2つ目は、ガイドランナーとして一緒にコースを進むことです。できるのは方向の案内までで、種目を手伝うことはできません。

3つ目は、観客として応援することです。大阪大会の観戦チケットは1日2,420円です(2026年9月26日時点)。チケットの種類と応援の仕方は観戦ガイドにまとめています。

10

公式の資料で確認できなかったこと

次の点は、アダプティブ用のルールブック(日本語版)、大阪大会の販売ページ、HYROX Japanの大会ページとFAQでは確認できませんでした。

  • クラス分けの判定の流れ(判定する人、時期、必要な書類、費用)
  • 大阪2027の入力項目「Select Your Impairment」の選択肢の中身
  • 神経系 中等度と神経系 重度の、スレッドプッシュとスレッドプルの重さ(表に2通りの重さが並び、使い分けの条件が書かれていない)
  • ガイドランナーの入場の方法と、当日の受付の手続き
  • 大阪2027の土曜のアダプティブ・メンズの券種にある、世界選手権に出る資格は60歳以上の年代だけが対象という注記と、ルールブックの各クラス3枠の、どちらが当てはまるか
  • クラス分けコードとアダプティブ・ダブルスが導入される日付、日本の大会でのダブルスの扱い
  • 名古屋大会でアダプティブが開かれるかどうか
  • 英語版のアダプティブ用ルールブックとの違い(英語版は確認していません)
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KEY TAKEAWAYS

  • HYROXのアダプティブ部門は、恒久的な機能障がいのある人の部門です。13のクラスのいずれかに正式にクラス分けされることが出場の条件で、一時的なケガは対象になりません
  • 13のクラスは、下肢と上肢(それぞれ重度・軽度)、低身長、視覚障がい、ろう・難聴、神経系(重度・中等度・軽度)、座位(股関節機能あり・股関節機能なし・体幹機能なし)です。機能ポイントは1.0〜5.0で、数字が小さいほど機能への影響が大きいことを示します
  • 距離・重さ・回数はクラスごとに決まっています。ろう・難聴と視覚障がいは、距離・重さ・回数がオープンと同じです。視覚障がいのクラスは、テザーの使用が必須で、ウォールボールには投げずに持ったままスクワットをする調整があります。座位のクラスはスキーエルゴとローイングが900m・800m・500m、ウォールボールが85回・75回・65回です
  • 神経系 中等度と神経系 重度のスレッドの重さは、ルールブックの表に2通りが並んでいて条件が書かれていません。この2クラスで出る人は、申し込みの前にHYROX Japanに確かめてください
  • 専用の器具は登録のときに申告します。ガイドランナーは選手が自分で手配し、種目を手伝うことはできません
  • 大阪2027は、アダプティブ・メンズが1月21日・22日・23日・25日、アダプティブ・ウィメンズが1月21日・22日・24日・25日です。価格は27,500円(サービス料別、2026年9月26日時点)で、申し込みには機能障がいの選択と、健康情報の開示についての同意書のアップロードが必要です(2026年10月2日時点)
  • クラス分けの判定の流れは公式の資料に書かれていません。迷う点がある人は、チケットを買う前にHYROX Japanのカスタマーサービスに問い合わせてください
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