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HYROXの補給|レース中のジェル・水分補給と、前日・当日の食事の目安
HYROX(ハイロックス)のレース中は、会場の給水とは別に、自分のジェルや飲料を身につけて持ち込んでよい決まりです。公式ルールブック(2026/27シーズン)の給水・持ち込みのルールと、独立行政法人日本スポーツ振興センター(HPSC)が公開するアスリート向けの一般的な指針にもとづいて、前日・当日・レース中・レース後の食事と水分補給の目安を整理しました。

HYROX(ハイロックス)のレース中に何か食べたり飲んだりしてよいかというと、答えは「できる。ただし自分の身につけて持ち込む」です。公式ルールブック(2026/27シーズン)は、会場が用意する給水とは別に、自分の補給食・飲料を使いたい場合はスタート時点から自分の身につけて持ち込む決まりになっていると定めています。
この記事の芯は2つです。1つは、会場が用意するものと自分で持ち込むものの線引きです。応援に来た友達やチームメイトから差し入れを受け取ると、反則になりうるという見落としやすいルールがあります。もう1つは、前日から当日、レース中、レース後まで、水分と炭水化物をどのくらいの量摂るのが一般的な目安になるかです。独立行政法人日本スポーツ振興センター(HPSC)が公開しているアスリート向けの資料にもとづいて、体重1kgあたりの量として示します。ここで示すのは健康なアスリート向けの一般的な指針で、持病がある場合や体調に不安がある場合の個別の判断ではありません。
根拠は、HYROX公式のルールブック(シングルス・ダブルス・リレー3冊、2026/27シーズン版)と、独立行政法人日本スポーツ振興センター(HPSC)が公開している資料です。2026年9月27日時点の情報です。
会場の給水と、自分で持ち込む補給のルール
公式ルールブック(シングルス§10.5・ダブルス§10.5・リレー§8.5 HYDRATION/NUTRITION)は、レース中の給水と補給についてこう定めています。
- Roxzoneを通過するたびに(通過中か、その前後のどこかで)、少なくとも1回は水が用意される
- 水のほか、スポーツドリンクなどの水分補給の製品が用意されることもある
- 自分のジェルや飲料の持ち込みは可能。ただし補給したいものがある場合は、スタート時点から自分の身につけておく必要がある
- レース中に、公式のエイドステーション以外から飲食物を受け取ることは「外部からの補助」とみなされ、違反ごとに時間ペナルティの対象になる
つまり、応援に来た友達やチームメイトから差し入れを受け取る、コース脇にあらかじめ自分の補給食を置いておいて後で拾う、といった行為はできません。友達やパートナーと一緒に練習して出場を計画している場合でも、補給に関しては自分の分を自分で最初から持っておく必要があります。この規定はシングルス・ダブルス・リレーのどの形式でも共通です。

自分で持ち込む場合、レース当日に使ってよい持ち物の一覧にハイドレーションパックが含まれているため、これに水やジェルを入れて携行できます。使う物は、スタートからフィニッシュまで自分の身につけ続ける必要があります。
会場の水は飲用が前提です。頭や体にかけるなど積極的な冷却に使うと、違反ごとに2分の時間ペナルティが科されます。また、紙コップや使用済みのジェルの包装は、Roxzoneやランコースにではなく、用意されたゴミ箱に捨てる決まりで、これも違反ごとに2分の時間ペナルティの対象です。
レース前日と当日の食事の目安
独立行政法人日本スポーツ振興センター(HPSC)が公開している資料は、試合やレースのタイミングに合わせた炭水化物(糖質)摂取の目安を示しています。運動時の主なエネルギー源は筋肉に蓄えられた炭水化物(グリコーゲン)で、体内に貯蔵できる量には限りがあるため、レース前後は炭水化物を意識してとることが望ましいとされています。
持久系競技ならレース3日前から体重1kgあたり10〜12g/day、一般的な競技なら前日は7〜12g/dayが目安です。前日は脂質の多い食品や揚げ物、炒め物を避け、消化のよい料理を選ぶことが勧められています。
当日は、レース開始の2時間以上前ならおにぎり・サンドイッチ・果物など、1時間前ならスポーツドリンクやゼリータイプのスポーツフーズなど、より消化の速いものが目安として挙げられています。1〜4時間前の炭水化物量としては、体重1kgあたり1〜4gが目安です。

レース前・中・後の水分補給の目安
水分補給の量の目安は、体重1kgあたりの量で計算できます。運動の4時間前から少しずつ飲み始めるのが目安で、体重1kgあたり5〜7mLが目安量です。それでも尿が出ない・尿の色が濃いようなら、2時間前までに体重1kgあたり3〜5mLをゆっくり追加するとよいとされています。体重70kgの場合で計算すると、4時間前に350〜490mL、必要に応じて2時間前に210〜350mLを追加する計算になります。
飲む中身は、水よりも電解質と糖質を含むスポーツドリンクの方が効率的とされています。目安の濃度は、糖質が100mLあたり3〜8g程度、ナトリウムなどの電解質は100mLあたり40〜80mg程度(0.1〜0.2%の食塩水に相当)です。また、500mlの糖質飲料を摂取した場合、飲水から15分の時点で200〜250ml程度が吸収されずに胃の中に残っていたという研究報告もあり、一度に大量に飲むより少量をこまめに摂取することが勧められています。
レース中は、汗で失った量を大きく超えるほど水を飲みすぎず、体重の2%以上は脱水しないように補給するのが目安です。体重70kgの場合は70kg×0.02=1.4kgが目安の上限になります。レース中に体重を測ることはできないため、この数字はその場で計算する基準ではなく、事前に補給計画を立てるための目安です。普段の練習で運動前後の体重変化を記録しておくと、自分の発汗量に応じた1時間あたりの水分量を見積もりやすくなります。体重の2%程度までの脱水であれば著しい体温上昇の心配は少ないとされますが、それ以降は1%の脱水につき直腸温が約0.3℃上昇し、心拍数が1分あたり約10拍増加するとされています。体重の2%以上の脱水で持久性のパフォーマンスが、3%以上の脱水でスプリントのパフォーマンスが低下するとも指摘されています。ペース配分と合わせて、水分補給のタイミングも事前に計画しておくと、後半の失速を防ぎやすくなりそうです。
レース後は、体重減少分の1.25〜1.50倍程度の水分摂取が目安とされています。運動後に体重が1kg減っていた場合は、1.25〜1.50L程度が目安の計算になります。
レース中・レース後の糖質補給とジェルの使い方
運動中に補給する炭水化物の量は、レースにかかる時間によって目安が変わります。45〜75分程度なら少量の炭水化物、1〜1.5時間程度なら1時間あたり30〜60g、2.5時間以上なら1時間あたり90gが目安です。HYROXのレース全体(8kmのランと8種目)は、HYROX公式が平均90分前後としています。ただしこれは平均値で、体力や経験によって実際の完走時間には個人差があります。自分の完走想定時間が1〜1.5時間に近ければこの目安が、2.5時間以上を見込むならそちらの目安が参考になります(1.5〜2.5時間にあたる目安は示されていません)。吸収の速いぶどう糖・果糖・ショ糖などの糖質や、スポーツドリンク・ゼリータイプのスポーツフーズの活用が挙げられています。
ジェル(エネルギーゼリー・エネルギージェル)は、糖質によるエネルギー補給ができる食品で、固形食品より消化時間が短いため運動前や運動中の補給に向いています。運動後すぐに食事がとれない場合の手軽な糖質補給にも使えます。ただし、0kcalと表示されている製品は糖質をほとんど含まないため、糖質補給の目的では使えません。
運動直後の糖質補給の目安は体重1kgあたり0.7gで、こちらも吸収の速い炭水化物(スポーツドリンクやゼリー、バナナなど)が挙げられています。応援に来た友達から差し入れを受け取ることは反則になりうるため、レース後にすぐ口にしたいものも、自分のバッグや荷物預けの中に用意しておくと安心です。
KEY TAKEAWAYS
- 会場の給水はRoxzoneを通過するたびに用意されるが、自分のジェルや飲料を使いたい場合はスタート時点から自分の身につけて持ち込む決まり
- レース中に応援の友達やチームメイトから差し入れを受け取ると「外部からの補助」とみなされ、時間ペナルティの対象になる
- 会場の水は飲用が前提。頭や体にかける冷却に使うと2分、使用済みジェルの包装をコース上に捨てると2分の時間ペナルティ
- 食事は、持久系競技なら3日前から、一般的な競技なら前日から炭水化物量を増やすのが目安。当日は2時間以上前は固形物、1時間前はドリンクやゼリーなど消化の速いものに切り替える
- 水分補給は体重1kgあたりの量で計画できる(4時間前は5〜7mL/kg、レース中は体重の2%以上の脱水を避ける、レース後は減った体重の1.25〜1.50倍)
- レース中の糖質摂取量の目安は1時間あたり30〜60g程度(レースが1〜1.5時間の場合)。ジェルやスポーツドリンクなど吸収の速いものが向いている
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