スパルタンレース · 8 MIN READ
スパルタンレースの靴の選び方|普通のランニングシューズで出られる?泥と水に強い靴・ソックス・禁止されている物
スパルタンレース(Spartan Race)には、普段のランニングシューズで出られます。公式の準備の記事(スロバキア向けサイト)は、長い距離でぬかるみが予想されるなら溝のあるトレイルランニング用の靴を勧めつつ、最初から高価な専門の靴を買う必要はないとしています。サイズが合って履き慣れた靴を選び、新品を当日初めて履くのは避けます。靴底の溝・水はけ・つま先の補強の見方、綿を避けたソックス、ルールで禁止されている金属のスタッド、レース後の靴の替えを公式の案内で整理しました。

スパルタンレース(Spartan Race)には、普段のランニングシューズで出られます。スロバキア向けの公式サイトにある準備の記事は、まず必要なのはランニングシューズで、長い距離ではクッション性も要ると書いています。長い距離でコースがぬかるみそうなときは、自分とほかの参加者の安全のために、溝(トレッド)のあるトレイルランニング用の靴を勧めています。ただし最初から最も高価な専門の靴を買う必要はなく、普通のランニングシューズでも足りるとしています。大事なのはサイズが合って履き心地が良いことで、買ったばかりの新品をレース当日に初めて履くことは強く勧めていません。
ルールで禁止されている靴まわりの物は、金属のスタッド(靴底に付いた金属の突起)とアイゼン(crampons・靴に付ける金属の爪)です。世界の公式の競技ルール(Rules of Competition)2026年版に、靴の種類や靴底の深さ、ブランドを決めた条文は見つかりませんでした。日本の主催者(株式会社SRJ)の準備ページは、レース後の着替えと靴の替えを持ち物に挙げています。
根拠は、スロバキア向けの公式サイトの準備の記事、世界の公式ブログの当日チェックリスト、競技ルール2026年版、障害物の解説、公式ショップの商品説明、日本の主催者の準備ページと2026年9月の新潟大会のレースガイド、日本語の公式サイトのキッズの案内で、いずれも2026年10月17日に確認しました。英語の資料は編集部が訳しました。靴の細かい勧めはスロバキア向けサイトの記事によるもので、日本の大会の案内ではありません。
公式が勧める靴と向かない靴
公式の準備の記事が最初に挙げるのはランニングシューズです。長い距離を走るなら、衝撃を和らげるクッション性も必要としています。向かない靴としては、おしゃれなスニーカーとトレッキングシューズをはっきり挙げています。
トレイルランニング用の靴を勧めているのは、長い距離に出て、天気からコースがぬかるみそうなときです。溝のある靴底は下りで滑りにくく、つま先のまわりが補強されていることが多いので、石や飛び出た木の根にぶつけても足を守れる、という理由です。同じ記事は、そうした靴をすぐに買わないなら普通のランニングシューズでも役目は果たせる、とも書いています。

「長い距離」がどこからかは、記事には書かれていません。世界の公式サイトの説明では、Sprint(スプリント)が5kmで障害物20、Super(スーパー)が10kmで障害物25、Beast(ビースト)が21kmで障害物30です。Sprintは水や泥のある舗装されていない不整地のトレイルを走るレース、Stadion(スタディオン)は競技場で行う5kmのレースで、泥も山も無いと説明されています。Stadionは、公式がトレイル用の靴を勧めている条件(長い距離でぬかるみが予想される)には当たりません。
2026年10月17日時点で、日本の公式サイトに載っている2026年の大会は、11月14日の千葉(稲毛海浜公園・Sprint)と、12月19日の大分(Stadion)です。コースの路面は大会ごとに違うので、出る大会の大会ページやレースガイドで様子を確かめてから靴を決めてください。
世界の公式の当日チェックリストは、「水はけとグリップのある軽いスニーカー」を挙げ、公式ショップで売っている自社の靴(RD PRO)を勧めています。これは公式ショップの商品の宣伝を含む文です。準備の記事は、最初から高価な専門の靴を買う必要はなく普通のランニングシューズでも足りるとしているので、サイズが合って履き慣れたランニングシューズがあれば、まずはそれで足ります。
靴を選ぶときに見る5つの点(溝・水はけ・つま先・軽さ・サイズ)
公式の案内に出てくる靴の条件を、見る点ごとに並べます。
見る点 | 公式の書き方 | 公式に書かれている理由 |
|---|---|---|
靴底の溝(グリップ) | 準備の記事:長い距離でぬかるみそうなら、溝のあるトレイル用の靴/当日チェックリスト:グリップのある靴 | 下りで滑りにくい(準備の記事) |
水はけ | 当日チェックリスト:水はけの良い靴 | 書かれていない |
つま先の補強 | 準備の記事:トレイル用の靴はつま先のまわりが補強されていることが多い | 石や木の根にぶつけても足を守る(準備の記事) |
軽さ | 当日チェックリスト:軽いスニーカー | 書かれていない |
サイズと履き慣れ | 準備の記事:サイズが合って履き心地が良いことが大事。新品を当日初めて履かない | 書かれていない |
当日チェックリストは水はけの良い靴を挙げる理由を書いていませんが、世界の公式の障害物の解説には、靴の中に水と泥が入る障害物があります。ローリングマッド(Rolling Mud)は、水の溜まった深い泥の穴をいくつも渡り、靴と靴下に水を含んだ粘る泥が入る障害物と説明されています。穴の両側には滑りやすい斜面があり、上り下りしながら進みます。この障害物が日本の大会に置かれるかは確かめられませんでした。
障害物レース(OCR)用として売られている靴が何に力を入れているかは、公式ショップの商品説明から分かります。公式ショップは自社ブランドの RD PRO by Craft を、あらゆる路面でのグリップ、軽さと柔軟性、水はけの良さを持つOCR用の靴として販売しています。靴の中の水をすばやく抜く排水の仕組み(Hydrain)や、凹凸(ラグ)と前足部のX字の模様で不整地をつかむ靴底(ObstaTech)をうたっています。いずれも販売元の説明で、編集部が性能を確かめたものではありません。
ソックスは綿を避けた薄いランニング用
世界の公式の当日チェックリストは、ソックスに「薄く通気性のあるもの(綿は不可)」と書いています。準備の記事はランニング用のソックスを勧め、その理由を次のように説明しています。
- ほかの服が濡れなくても、足は濡れやすい
- 綿のソックスは長く濡れたままで、ずれたり丸まったりして、擦れや不快感の原因になる
- 壁や這う障害物、ロープクライム(ロープを登る障害物)で脚が擦れるのが気になるなら、高めのソックスが役立つ
- コンプレッションソックスは脚を守り、特に長い距離で役立つ
長いレースでは、当日チェックリストが足用の潤滑剤(foot lubricant)と替えのソックスを持つよう挙げています。
ルールで禁止されている物(金属のスタッド・アイゼン)
世界の公式の競技ルール2026年版は、世界中のスパルタンの大会に適用されます。使ってはいけない装備を挙げた条文に、硬いギプス、アイゼン、金属のスタッド、トレッキングポール、ヘッドセット、無線機、音楽プレーヤー、接着剤、チョークなどが並んでいます。違反すると失格の対象になります。グローブ、スポーツテープ、応急用の包帯は使ってよいと書かれています。
ルールを守る強さはカテゴリーで違います。ELITE(エリート)とAGE GROUP(エイジグループ)のコンペティティブのカテゴリーはすべてのルールをはっきり守ることが求められ、誰でも出られるOPEN(オープン)も、スポーツマンシップと自己責任の精神で守ることが勧められています。
靴の種類、靴底の深さ、ブランドを指定した条文は、競技ルール2026年版の本文には見つかりませんでした。日本の大会に固有の靴の決まりも確かめられませんでした。
レース後の靴の替えと、足を洗える場所
日本の主催者の準備ページは、レース当日の準備品のリストに、身分証明書などと並べて、タオル、汚れた服を入れる袋、レース後の着替え・靴の替え、日焼け止めを挙げています。レース後に履き替える靴を、走る靴とは別に持っていく前提です。世界の公式の当日チェックリストも着替え一式を挙げ、レース後の履き物はビーチサンダルが人気だと書いています。

足や靴を洗える設備は大会によって違います。2026年9月の新潟大会のレースガイドは、簡易の足洗い場を用意するとし、トイレやホテルの敷地内の水道で足などを洗うことを禁じていました。英語版はシャワーが無いことも書き、トイレやホテルの設備で洗ってはいけない物に靴・服・足・体を挙げています。新潟大会の案内なので、千葉や大分の大会も同じとは限りません。千葉と大分の大会のレースガイドは、日本の公式サイトの国内開催情報によるとレース前に送られるので、届いたガイドで確かめてください。
子どものキッズレースは丈夫な靴で
日本語の公式サイトのキッズの案内は、4〜14歳の子ども向けのレースについて、必要なのは運動に適した快適な服と丈夫な靴だけだと書いています。子どものギアは濡れて泥だらけになります。暑ければ帽子と日焼け止め、寒ければ上着を用意し、着替えとタオルも持っていくよう案内しています。
HYROXの靴との違い
HYROX(ハイロックス)は、公式サイトによると屋内の大きな展示会場で開催されるレースです。ルールブック(2026/27シーズン)の靴の決まりは、レース中はつま先の覆われた靴を履くこと(ウォールボールのステーションだけ脱いでよい)です。スパルタンレースには、Sprintのように水や泥のある屋外の不整地を走るレースがあります。公式の当日チェックリストは水はけとグリップのある靴を挙げ、準備の記事は長い距離でぬかるみが予想されるときに溝のあるトレイル用の靴を勧めています。Stadionは泥の無い競技場で行うレースです。
HYROXの靴の選び方はHYROXのシューズの選び方、HYROXとスパルタンレースの違いは、DEKAも含めて比べたHYROXとDEKA・スパルタンレースの違いにまとめています。
KEY TAKEAWAYS
- スパルタンレースには、普段のランニングシューズで出られます。公式の準備の記事(スロバキア向けサイト)は、最初から高価な専門の靴を買う必要はないとしています。
- 長い距離でぬかるみが予想されるなら、下りで滑りにくくつま先が補強されたトレイルランニング用の溝のある靴が勧められています。おしゃれなスニーカーとトレッキングシューズは向きません。
- 靴を選ぶときは、靴底の溝、水はけ、つま先の補強、軽さ、サイズと履き慣れを見ます。買ったばかりの新品を当日初めて履くのは避けてください。
- ソックスは綿を避けた薄いランニング用にします。長いレースでは替えのソックスと足用の潤滑剤を持っていきます。
- 競技ルールで禁止されているのは、金属のスタッドやアイゼンなどです。靴の種類やブランドを指定した条文は見つかりませんでした。
- レース後に履き替える靴と着替え、タオル、汚れた服を入れる袋を持っていきます。足を洗える設備は、出る大会のレースガイドで確かめてください。
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