トレーニング · 9 MIN READ
HYROXのダブルスは種目をどう分ける? 分担の決め方と8種目の目安
HYROX(ハイロックス)のダブルスで種目をどう分けるかは、公式ルールブックでは決まっていません。迷ったら8種目とも半分ずつを出発点にして、差が大きい種目だけ得意な側を多めにします。海外のトレーニングガイド3件が挙げる種目別の目安、交代する位置の決め方、担当を決める手順、部門ごとの重さを表にまとめました。

HYROX(ハイロックス)のダブルスで種目をどう分けるかは、公式ルールブックでは決まっていません。どちらが何m・何回を担当するか、どこで交代するかは、8種目とも2人で決められます。迷ったら8種目とも半分ずつを出発点にして練習で試し、2人の差が大きい種目だけ得意な側を多めにします。海外のトレーニングガイド3件も、半分ずつを基準の分け方として挙げています。ただしスレッドプッシュは、可能なら1人で全部行う形を出発点にするガイドが1件あります。
レース前に決めておく分担は3つあります。種目ごとの「誰が何m・何回を担当するか」「どこで交代するか」「どちらから始めるか」です。分けられるのは8種目だけで、種目の間のランは8回とも2人一緒に走ります。
この記事では、公式のダブルスルールブック(2026/27シーズン)が決めていることと、海外のトレーニングガイド3件(This Rox Life・Find Your Edge・HyroxDataLab)が挙げる種目別の分け方を表にまとめます。ガイドの数字は2026年10月9日時点で確認した各サイトの目安で、公式の推奨ではありません。
8種目の分け方の目安

3件のガイドは、半分ずつを基準の形として挙げています。例外はスレッドプッシュで、This Rox Life は可能なら1人で全部行う形を出発点にし、分けるなら25mずつとしています。そのうえで3件とも、2人の力に差がある種目は得意な側の量を増やすよう勧めています。種目ごとの数字は次のとおりです。
種目(2人で終える量) | 半分ずつ | 2人に差があるときの例 |
|---|---|---|
スキーエルグ(1,000m) | 500m/500m | 得意な側が600m・相方が400m(This Rox Life・HyroxDataLab)。得意な側が600〜700m(Find Your Edge) |
スレッドプッシュ(50m) | 2レーンずつ(25m/25m) | 強い側が3レーン(Find Your Edge)。可能なら1人で全部(This Rox Life) |
スレッドプル(50m) | 2レーンずつ(25m/25m) | 握力と引く力の強い側が多め(Find Your Edge) |
バーピーブロードジャンプ(80m) | 40m/40m | 苦手な側が苦しければ相方が50〜60m(Find Your Edge)。50m/30m、またはバーピー10回ずつで交替(HyroxDataLab) |
ローイング(1,000m) | 500m/500m | 得意な側が600m・相方が400m(This Rox Life・HyroxDataLab)。得意な側が600〜700m(Find Your Edge) |
ファーマーズキャリー(200m) | 100m/100m | 握力が弱い側を短く(This Rox Life)。握力の差が大きければ120m/80m(HyroxDataLab)。差がつきにくい種目(Find Your Edge) |
サンドバッグランジ(100m) | 50m/50m | 脚の強い側が多め(Find Your Edge)。動作の基準を保てない側の量を減らす(This Rox Life) |
ウォールボール(100回) | 50回/50回 | 得意な側が60〜70回(Find Your Edge)。60回/40回、または10回ずつで交替(HyroxDataLab) |
HyroxDataLab は、得意な側が6〜7割・相方が3〜4割を受け持つ配分も分け方の1つに挙げています。例はスキーエルグが700m/300m、ウォールボールが65回/35回です。同じサイトは、半分ずつの分け方が向くのは力が近いチームや初めてのダブルスだとしています。
右の列の数字は各ガイドの筆者が挙げた目安で、タイムがどれだけ縮むかを計測した結果ではありません。出発点として使い、練習で試してから自分たちの数字に直します。手順は「担当を決める3つの手順」の節にまとめました。
ダブルスの分担についてルールブックが決めていること・決めていないこと
ルールブックが決めているのは、2人がそろって動く場面と、交代のときの動作です。分ける量は決めていません。
場面 | ルールブックの定め | 2人で決めること |
|---|---|---|
ラン(1,000m×8回) | 2人一緒に走る。一方が先に行くと1分のペナルティ | なし(分担できない) |
種目に入る・出る | 2人そろって入り、規定の距離・回数を終えたら2人そろって出る | なし |
種目の実行中 | 1人が動いている間、もう1人は休む(You Go I Go) | 誰が何m・何回行うか、どこで交代するか、どちらから始めるか |
休んでいる間 | 立ったままでいる。種目の区域内にいて、他の選手を妨げない | なし |
ルールブックには、2人で分ける比率、1人が最低どれだけ行うか、交代の回数、交代する位置を定めた条文が見当たりません。交代の説明に出てくるのは、ローイングの1,000mを「自分たちで決めた距離」で交代するという例で、250mという数字も例として添えられているだけです。半分ずつでも、得意な側が多めでも、この方式の範囲に入ります。
休んでいる人の位置や器具の受け渡し方など、交代のときの決まりを種目ごとに知りたい場合は、HYROXダブルスのルールと分担にまとめています。
交代する位置と回数の決め方

交代する位置は、種目ごとに区切りやすい単位で決めます。
- スキーエルグ・ローイング: 画面に出る距離で区切ります。半分ずつなら500m、得意な側が多めなら600mで交代します。ルールブックの例のように250mごとに交代すると、1,000mで交代は3回です
- スレッドプッシュ・スレッドプル: どちらも12.5mのレーンを4本進む種目で、スレッド全体が12.5mの線を越えてから向きを変えます。分けるときはレーンが区切りになります。This Rox Life は、スレッドプッシュをレーンの途中で分けず、レーンごとに分けるよう書いています
- バーピーブロードジャンプ・ファーマーズキャリー・サンドバッグランジ: 進んだ距離で区切ります。ケトルベルとサンドバッグは、横か後ろへ渡すことはできますが、前へ渡すことはできません。バーピーブロードジャンプは、交代する人が相方の両足が着地した位置に手を置いてから始めます
- ウォールボール: 回数で区切ります。交代はボールを床に落とすか、手渡しで行います。投げたボールを相方が空中で受けてそのまま続ける交代は認められず、ノーレップになります
交代の回数は、ガイドによって考え方が分かれます。This Rox Life は交代を少なくする立場で、目安をスレッドプッシュとスレッドプルが0〜1回、スキーエルグとローイングが1回、ウォールボールは10〜20回のセットごととしています。理由には、交代のたびに向きを変える・器具を受け渡す・リズムを作り直す時間がかかることを挙げています。HyroxDataLab はこまめに交代する立場です。競技志向のチームに多いのはこの分け方で、交代が1回だけの半分ずつは1人が続ける区間が長くなり、ペースが落ちやすいと書いています。目安はスキーエルグが100〜200mごと、ローイングが200〜250mごと、バーピーブロードジャンプが5〜10回ごとです。ウォールボールは10〜20回ごとで、ここは This Rox Life と同じです。根拠に挙げているのはレースでの観察で、タイムを比べた数字は添えられていません。
スレッドは特に分かれます。This Rox Life は「できれば交代なし、分けるなら25mずつ」、Find Your Edge は「2レーンずつ、強い側が3レーン」、HyroxDataLab は12.5mごとの交代を挙げています。交代の回数ごとにタイムを比べた数字は、どのガイドにも添えられていません。練習で少ない交代とこまめな交代の両方を試して決めます。
担当を決める3つの手順
ガイドが共通して勧めているのは、本番で初めて試さず、練習で確かめてから決めることです。
- 手順1:種目を本番の重さで1人ずつ試す — HyroxDataLab は、スキーエルグ1,000m、スレッドプッシュ50m、スレッドプル50m、ローイング1,000m、ウォールボール100回を、本番の重さで1人ずつ計って比べる方法を挙げています。どの種目でどちらが得意かを、数字で比べられます
- 手順2:半分ずつで試し、差が大きい種目だけ変える — まず全部を半分ずつで行い、片方が明らかに強い種目で60/40や70/30の配分を試します(HyroxDataLab)
- 手順3:決めた分け方を、交代の動きごと練習する — 各種目をどちらから始めるかは前日までに決め、スタートラインでは決めません。最後の2種目(サンドバッグランジとウォールボール)は回数まで決めておき、休んでいる側が回数と分け方を数えます(Find Your Edge)
Find Your Edge は、レース前の6週間に少なくとも2回、決めた分け方をレースペースで練習し、通しの練習も少なくとも1回行うよう書いています。The Gym Group も、誰がどの種目を主導するかを事前に決めて、交代を練習するよう勧めています。
分け方を短い時間で確かめる練習として、This Rox Life は30分のメニューを挙げています。ランは800mで、本番の1kmより短い距離です。A・Bは2人のそれぞれです。
- 800mを2人で走る → スキーエルグ500m(Aが行い、Bは休む)
- 800mを2人で走る → スレッドプッシュ25m(A)+25m(B)
- 800mを2人で走る → ローイング500m(Bが行い、Aは休む)
- 800mを2人で走る → ウォールボールを合計50回、本番で予定している分け方で行う
これを週1回、3〜4週間続けます。終わったあとに確かめるのは「この分け方で、次のランが良くなったか、崩れたか」の1点です。本番では種目の間の1kmを2人一緒に走るので、種目の直後のランが崩れないかどうかも、分け方を決める材料になります。
2人でペースを合わせる練習や受け渡しの練習は、HYROXをペアで練習するメニューで扱っています。
部門ごとの重さとミックスダブルスの分け方
2人で分けても、使う重さは部門ごとに決まっています。分け方を決める前に、出場する部門の重さを確かめます。
種目 | 女子ダブルス | 男子ダブルス・ミックス・女子プロ | 男子プロ |
|---|---|---|---|
スレッドプッシュ(ソリ込み) | 102kg | 152kg | 202kg |
スレッドプル(ソリ込み) | 78kg | 103kg | 153kg |
ファーマーズキャリー | 16kg×2個 | 24kg×2個 | 32kg×2個 |
サンドバッグランジ | 10kg | 20kg | 30kg |
ウォールボール | 4kg | 6kg | 9kg |
スキーエルグ・ローイング・バーピーブロードジャンプには重りがありません。距離と回数は5部門とも同じです。
ミックスダブルス(男女ペア)は、2人とも男子ダブルスと同じ重さを使います。女子ダブルスと比べると、スレッドプッシュは102kgから152kg、サンドバッグランジは10kgから20kgになります。This Rox Life は、この重さのために合う分け方が大きく変わりうると書いています。
HyroxDataLab は、男性がスレッドプッシュ・スレッドプル・ファーマーズキャリーを多めに、女性がバーピーブロードジャンプ・ウォールボール・スキーエルグ・ローイングを多めに受け持つミックスのチームが多いと書いています。ただし、男女で種目を割り振る例を挙げているのはこの1件だけで、数字は示されていません。手順1のとおり、2人とも本番の重さで試してから決めます。
ウォールボールは、的の高さにも注意が要ります。的の高さは部門に関係なく投げる人の性別で決まり、女性は2.70m、男性は3.00mです。ミックスダブルスではボールは2人とも6kgですが、的の高さは2人で違います。練習でも、それぞれ自分の的の高さで投げて回数を決めます。重さの比較はHYROXのミックスダブルスと部門別の重量一覧にまとめています。
KEY TAKEAWAYS
- HYROXのダブルスの種目の分け方は、公式ルールブックでは決まっていません。分ける比率、1人が最低どれだけ行うか、交代の回数や位置を定めた条文は見当たりません
- 迷ったら8種目とも半分ずつを出発点にします(スキーエルグとローイングは500m、スレッドは2レーン、バーピーブロードジャンプは40m、ファーマーズキャリーは100m、サンドバッグランジは50m、ウォールボールは50回)
- 差が大きい種目は得意な側を多めにします。ガイドの目安は、スキーエルグとローイングが600〜700m、スレッドプッシュが3レーン、ウォールボールが60〜70回です
- 交代する位置は、スキーエルグとローイングは距離、スレッドは12.5mのレーン、ウォールボールは回数で区切ります。交代の回数は、ガイドによって考え方が分かれます
- 種目ごとに「誰が何m・何回」「どこで交代するか」「どちらから始めるか」を決め、本番の重さで試してから本番に臨みます
- ランは分担できません。8回とも2人一緒に走ります
- ミックスダブルスは2人とも男子ダブルスと同じ重さです。ウォールボールの的の高さは部門に関係なく投げる人の性別で決まるので、ミックスでは2人で高さが違います
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