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HYROXのサプリは何を摂る? プロテイン・電解質・カフェイン・クレアチンの量とタイミング
HYROX(ハイロックス)に、必ず摂らなければならないサプリはありません。使うなら候補は、食事で足りない日のプロテイン、糖質と電解質を含む飲料やジェル、スタートの約60分前のカフェインの3つです。国際オリンピック委員会(IOC)の合意声明と、日本スポーツ振興センター・農林水産省・日本アンチ・ドーピング機構の資料から、種類ごとの量とタイミングを体重別の表にまとめ、クレアチンなどの位置づけと、HYROXのアンチ・ドーピング規定との関係も整理しました。

HYROX(ハイロックス)の練習や大会のために、必ず摂らなければならないサプリはありません。使うなら、主な候補は3つです。食事でたんぱく質が足りない日のプロテイン、レース中の水分とエネルギーを補う糖質・電解質入りの飲料やジェル、スタートの約60分前に摂るカフェインです。このほかに、クレアチン、硝酸塩、βアラニン、重炭酸ナトリウムがあります。クレアチンは筋力と筋肉量を伸ばす目的のサプリで、始めの5〜7日に多く摂る方法(ローディング)のあとに体重が1〜2kg増えることがあります。
この記事では、サプリの種類ごとに「何のために・どれだけ・いつ」を表にまとめ、たんぱく質とカフェインの量は体重別に計算しました。HYROXのルールブックは、すべてのレーサーにアンチ・ドーピング規定を守ることを求めています。サプリは法律上は食品で、表示に無い物質が入っている可能性があります。選ぶ前に確かめる5つの点(目的、成分表示、認証マーク、ロット番号、少量を残す記録)は、後半の節にまとめました。
根拠は、国際オリンピック委員会(IOC)が2018年に出したサプリメントの合意声明、日本スポーツ振興センター、農林水産省、日本アンチ・ドーピング機構(JADA)、日本スポーツ栄養協会の資料と、HYROXの公式ルールブック(2026/27シーズン)です(2026年10月6日確認)。IOCの声明は高い競技レベルの選手に向けて書かれたもので、友達やパートナーと出る一般の参加者にとっては目安です。HYROXの種目で効果を調べた資料は、この記事で確かめた出典にはありません。持病がある人、薬を飲んでいる人、妊娠中・授乳中の人は、使う前に医師か薬剤師に相談してください。
サプリの種類ごとの量とタイミング
サプリは、毎日の食事と休養が整ったうえで、足りない分を補うものです。JADAもIOCも、必要な栄養はバランスの良い食事から摂ることを基本にしています(Food First=食事第一)。JADAは、使う前に「何のために使うのか」「その目的にサプリがいちばん合う方法なのか」を自分で考えるよう求めています。
IOCの合意声明は、サプリを目的で4つに分けています。不足している微量栄養素を補うもの、エネルギーやたんぱく質を手軽に摂るためのもの、競技力に直接はたらくもの、きつい練習を支えるなど間接的に役立つものです。競技力を上げると宣伝されるサプリは数が多い一方で、効果に良い根拠があるのはカフェイン、クレアチン、硝酸塩、重炭酸ナトリウムなど一部だけで、効き方は使う場面や人によって大きく変わるとしています。
この記事で扱うサプリを、目的・量・タイミングで並べると次のとおりです。どれも必須ではありません。
サプリ | 目的 | 量の目安 | 摂るタイミング |
|---|---|---|---|
プロテイン | 食事で足りないたんぱく質を補う | 食事と合わせて1日に体重1kgあたり1.2〜2.0g、1回は体重1kgあたり0.3g | 運動のあと、3〜5時間おきの食事や間食 |
糖質と電解質の飲料(スポーツドリンク) | 運動中の水分と糖質を同時に補う | 糖質3〜8%、ナトリウム100mLあたり40〜80mgの濃度 | 運動中、運動のあと |
ジェル | 運動中の糖質を補う | 1〜1.5時間の運動で炭水化物を1時間あたり30〜60g | 運動中 |
カフェイン | 持久力と高強度の運動の成績を高める | 体重1kgあたり3〜6mg | 運動の約60分前 |
クレアチン | 筋力・筋肉量と、短い高強度の運動 | 1日3〜5g(始めの5〜7日は1日約20gとする方法) | 毎日 |
硝酸塩(ビーツなどに多い) | 長めの運動と、間欠的な高強度の運動 | 310〜560mg | 運動の2〜3時間前 |
βアラニン | 30秒〜10分の高強度の運動 | 1日に体重1kgあたり約65mgを分けて、10〜12週間 | 毎日 |
重炭酸ナトリウム(重曹) | 約60秒の高強度の運動 | 体重1kgあたり0.2〜0.4g | 運動の60〜150分前 |
鉄・カルシウム・ビタミンD | 不足を補う | 検査で不足が確かめられたときに、医師の指示で | — |
たんぱく質とスポーツドリンクの数字は日本スポーツ振興センターの資料、それ以外はIOCの合意声明の値です。
プロテインは食事でたんぱく質が足りない日に使う
プロテインは、たんぱく質を手軽に摂るための食品です。食事だけで必要な量に届く日には要りません。
日本スポーツ振興センターの資料では、強い運動で筋肉が傷ついたあとの回復に必要なたんぱく質は、食事を含めた1日の合計で体重1kgあたり1.2〜2.0gです。回復を効率よく進めるには、体重1kgあたり0.3gを約3〜5時間おきに摂るとよいとされています。IOCの合意声明も、1食あたり体重1kgあたり0.3〜0.5gを1日3〜4回、運動に近いタイミングで摂る方法を挙げています。筋肉量を増やす目的なら1日に体重1kgあたり1.6gが最適で、2.2gまでは悪影響が見られないとしています。筋力トレーニングと組み合わせると筋肉量の増え方が大きくなりますが、その差は大きくないとも書いています。
体重 | 1日の合計(体重1kgあたり1.2〜2.0g) | 1回あたり(体重1kgあたり0.3g) |
|---|---|---|
50kg | 60〜100g | 15g |
60kg | 72〜120g | 18g |
70kg | 84〜140g | 21g |
80kg | 96〜160g | 24g |
IOCの表では、プロテイン製品は1回分で20〜50gのたんぱく質を摂れます。原料はホエイ、カゼイン、卵、大豆などで、どれも良質なたんぱく質として挙げられています。上の表の1回あたりの量は、製品の1回分でほぼ届きます。食事だけで1日の合計(体重1kgあたり1.2〜2.0g)に届く日は、足す必要はありません。
プロテインが役に立つ場面としてIOCが挙げているのは、重要な練習や大会のあとの回復と、忙しい日や遠征のときの持ち運べる栄養です。大会の会場や遠征先で、運動のあとすぐに食事がとれないときが当てはまります。たんぱく質のほかに多くの成分を加えた製品については、根拠の無い成分が含まれることや、汚染のリスクが上がることを注意点に挙げています。レース後の食事と回復の全体はHYROXのあとの筋肉痛と回復にまとめています。
電解質と糖質の飲料・ジェルはレース中の水分とエネルギーを補う
水分補給には、水よりも、糖質と電解質を含むスポーツドリンクのほうが効率的です。日本スポーツ振興センターが示す濃度の目安は、糖質が3〜8%、ナトリウムが100mLあたり40〜80mgです。
粉末やタブレットで売られている「電解質」の製品は、スポーツドリンクとは別の種類です。IOCの合意声明の表では、次のように分かれています。
種類 | 中身 | 主な用途 |
|---|---|---|
スポーツドリンク | 炭水化物5〜8%、ナトリウム10〜35mmol/L(100mLあたり約23〜80mg)、カリウム3〜5mmol/L | 運動中に水分と炭水化物を同時に補う。運動のあとの水分と糖質の補給 |
電解質補給用の粉末・タブレット | ナトリウム50〜60mmol/L(100mLあたり約115〜138mg)、カリウム10〜20mmol/L。炭水化物は100mLあたり2〜4gと少ない | 計量に向けた減量で脱水したあとの急速な水分補給、超長時間の運動で大量に失ったナトリウムの補給、運動のあとに水分とナトリウムが大きく不足したときの急速な水分補給 |
スポーツジェル | 1袋30〜40gで炭水化物が約25g。カフェインや電解質を含むものがある | 運動中の炭水化物の補給 |
スポーツドリンクの濃度は、日本スポーツ振興センターの目安(糖質3〜8%、ナトリウム100mLあたり40〜80mg)とIOCの表(炭水化物5〜8%、ナトリウム100mLあたり約23〜80mg)で、範囲が少し違います。両方の範囲に入るのは、糖質5〜8%、ナトリウム100mLあたり40〜80mgです。
電解質補給用の製品はナトリウムが濃く、糖質が少ないので、エネルギーの補給には向きません。HYROXは平均で90分前後のレースです。レース中に糖質も補いたいなら、スポーツドリンクかジェルが当てはまります。電解質の粉末は、汗を多くかいた練習や大会のあとの水分補給が主な用途です。
レース中の糖質の量は、運動が1〜1.5時間なら1時間あたり30〜60gが目安です。炭水化物が25〜30gのジェルなら、1時間に1〜2袋に当たります。飲む量にも上限の考え方があり、運動中は汗で失った量を大きく超えて飲まず、体重の2%以上の脱水にならない範囲で補うのが目安です。
ジェルにはカフェイン入りの製品があります。カフェインを別に摂る日は、表示を見て合計を数えてください。会場の給水、前日からの食事と水分の量はHYROXの補給にまとめています。
カフェインはスタートの約60分前に体重1kgあたり3〜6mgが目安
カフェインは、IOCの合意声明が効果は確立しているとするサプリです。持久系の運動(5〜150分のタイムトライアル。自転車、ランニング、ローイングなど)の持久力と、短時間の高強度の運動の成績を高めるとされています。
声明が示す使い方は、無水カフェイン(錠剤や粉末)を体重1kgあたり3〜6mg、運動の約60分前に摂る方法です。これより少ない量(体重1kgあたり3mg未満、約200mg)を運動の前と運動中に、炭水化物と一緒に摂る方法も挙げています。体重1kgあたり9mg以上に増やしても効果が増える様子は無く、吐き気、不安、不眠、落ち着きのなさといった副作用が出やすくなります。コーヒーなどの飲み物で摂る場合は、あとの一覧にある含有量から量を計算します。
体重 | 体重1kgあたり3mg | 体重1kgあたり6mg | 体重1kgあたり9mg(副作用が出やすくなる量) |
|---|---|---|---|
50kg | 150mg | 300mg | 450mg |
60kg | 180mg | 360mg | 540mg |
70kg | 210mg | 420mg | 630mg |
80kg | 240mg | 480mg | 720mg |
この量は、選手の競技力を基準にしたものです。健康の面の目安は別にあります。日本には、カフェインの摂取量の基準や目安がありません。農林水産省がまとめた海外の機関の目安では、健康な成人は1日400mgまでです(米国、欧州・英国、カナダ、オーストラリア・ニュージーランド)。1回あたりは、欧州・英国が体重1kgあたり3mgまで、オーストラリア・ニュージーランドが200mgまでとしています。妊娠中や授乳中の人の目安はこれより低く、欧州は1日200mg、カナダは1日300mgです。
IOCの声明の多いほうの量(体重1kgあたり6mg)は、体重70kgで420mgになり、1日400mgを超えます。欧州・英国の1回あたりの目安(体重1kgあたり3mgまで)は、IOCの声明の少ないほうの量と同じです。オーストラリア・ニュージーランドの1回200mgまでの目安と比べると、体重1kgあたり3mgでも、体重70kgの210mg、80kgの240mgは超えます。

1日の合計には、朝のコーヒーやお茶、カフェイン入りのジェル、風邪薬や眠気防止薬などの市販薬に入っている分も数えます。飲み物に入っている量は、農林水産省の一覧では次のとおりです。
飲み物 | カフェインの量 |
|---|---|
コーヒー(浸出液) | 100mLあたり60mg(150mLで90mg) |
インスタントコーヒー | 1杯(粉末2g)で約80mg |
玉露 | 100mLあたり160mg |
紅茶 | 100mLあたり30mg |
せん茶・ほうじ茶・ウーロン茶 | 100mLあたり20mg |
エナジードリンク・眠気覚まし用の飲料 | 1本あたり50〜170mg(製品によって違う) |
使うときの注意は4つあります。
- 高純度のカフェイン粉末は、少量でも重い中毒を起こすおそれがあります。農林水産省は、ドイツでティースプーン2杯(約9g)を摂った人が急性中毒で亡くなった例を紹介しています。1回分のカフェイン量が表示された製品を選び、表示の量を守ってください
- 摂りすぎると、不眠、不安、興奮、震え、めまい、心拍数の増加、下痢、吐き気が起こります
- 海外のトレーニングガイドには、大会前日の午後はカフェインを控えるよう勧めるものが2件あります。前日の過ごし方はHYROX前日にやることにまとめています
- カフェインには利尿作用がありますが、競技力を高めるとされる量ではその影響は小さいとされています
カフェインは、ドーピングの禁止物質ではありません。JADAの説明では、世界アンチ・ドーピング機構(WADA)が濫用の傾向を把握するために見ている「監視プログラム」の物質です。
クレアチンは始めに多く摂る期間のあとに体重が1〜2kg増えることがある
クレアチンは筋力と筋肉量を伸ばす目的のサプリです。体の中でも作られ、食事からも摂っている物質で、サプリとして摂ると、最大筋力と、150秒未満の高強度の運動(とくに30秒未満)の成績が高まります。筋力トレーニングやインターバルトレーニングと組み合わせると、筋肉量・筋力・パワーの伸びが大きくなります。持久系の成績が上がるという報告は多くありません。
IOCの合意声明が示す摂り方は、始めの5〜7日は1日約20gを4回に分けて摂り、そのあとは1日3〜5gを続ける方法です。適切な手順に従えば、最長4年の使用で健康への悪影響は報告されていません。
HYROXに出る人が知っておきたいのは、体重の変化です。始めに1日約20gを摂る期間(ローディング)のあとに、体重が1〜2kg増えることがあり、主な理由は体に水分がたまることです。声明は、この増加が持久系の成績や、自分の体重を動かす種目では不利になりうるとしています。HYROXは1kmのランを8回、合計8km走ります。筋力トレーニングの効果を高めたい人には目的が合いますが、走るタイムを優先する人は、増えた体重で走ることになる点を考えて決めてください。使うなら大会の直前に始めず、練習の時期に体重と走りの変化を確かめておきます。
硝酸塩・βアラニン・重炭酸ナトリウムの摂り方と効果が報告されている運動
IOCの合意声明が、カフェインとクレアチンのほかに、成績がわずかに上がる可能性を示す根拠があるとするのは、硝酸塩と重炭酸ナトリウムです。βアラニンは、これに「加わる可能性がある」という扱いです。3つの摂り方、効果が報告されている運動の長さ、副作用は次のとおりです。
サプリ | IOCの声明が示す摂り方 | 効果が報告されている運動 | 注意 |
|---|---|---|---|
硝酸塩(ほうれん草、ルッコラ、セロリ、ビーツなどに多い) | 310〜560mgを運動の2〜3時間前。3日を超えて続ける方法もある | 疲労困憊までの運動時間で4〜25%、40分未満のタイムトライアルで1〜3%の改善。12分未満の運動は結論が割れている | 胃腸の不調が出る人がいる。1041mgに増やしても521mgを上回る効果は無い |
βアラニン | 1日に体重1kgあたり約65mgを、0.8〜1.6gずつ3〜4時間おきに分けて、10〜12週間続ける | 30秒〜10分の運動で約0.2〜3%の改善 | 皮膚の発疹、一時的な感覚異常 |
重炭酸ナトリウム(重曹) | 体重1kgあたり0.2〜0.4gを運動の60〜150分前 | 約60秒の高強度の運動で約2%の改善。10分を超えると効果が下がる | 胃腸の不調が起こりやすい |
体重60kgの人なら、βアラニンは1日に約3.9g、重炭酸ナトリウムは1回に12〜24gです。硝酸塩とβアラニンは、よく鍛えた選手ほど効果を得にくいとされています。
HYROXは全体で平均90分前後かかります。βアラニンの30秒〜10分、重炭酸ナトリウムの約60秒とは、運動の長さが違います。HYROXで調べた資料は確かめられておらず、この3つがHYROXのタイムに当てはまるかどうかは分かりません。
運動前用として売られている製品には、βアラニンを含むものがあります。IOCの声明が示すのは毎日続けて摂る方法で、運動の前に1回だけ摂る方法は示されていません。
鉄・カルシウム・ビタミンDは不足を確かめてから補う
不足しやすい栄養素として、IOCの合意声明は鉄、カルシウム、ビタミンDを挙げています。ただし、むやみに補うことは勧めていません。先に食事の内容と血液などの検査で不足を確かめ、不足があるときに補うものとしています。
鉄は、足りている人が補うと、嘔吐、下痢、腹痛などが起こることがあります。高用量の鉄のサプリは、鉄欠乏がある場合を除いて摂るべきでないとされています。鉄が不足する要因には、食事からの摂取が少ないことのほか、月経による出血や、足の着地で赤血球が壊れることが挙げられています。気になる人は、サプリを買う前に医療機関で血液検査を受けるのが先です。
そのほかのサプリについて、IOCの合意声明の評価は次のとおりです。
- HMB:筋力や筋肉量への効果は小さく、同じ効果は食事のたんぱく質やプロテインで得られる可能性が高い
- オメガ3脂肪酸:サプリを摂るより、脂の多い魚を食事に入れるほうがよいかもしれない
- クルクミン、タルトチェリージュース:選手に勧めるには、さらに研究が必要
- 脂肪を減らすと宣伝される成分(緑茶、共役リノール酸、キトサンなど):効果は小さいか、ほとんど無い
公式栄養パートナーの商品に入っている量と目安の比較
HYROXの公式栄養パートナーはマイプロテインで、HYROXの名前が付いた商品を販売しています。メーカーが公表している1回分の量を、ここまでの目安と比べると次のようになります。
商品 | メーカーが公表する1回分 | 目安と比べると |
|---|---|---|
プレワークアウト ジェル - HYROX | カフェイン230mg(運動の15〜30分前に1袋、24時間に1袋まで) | 体重60kgで体重1kgあたり約3.8mg、80kgで約2.9mg。オーストラリア・ニュージーランドの1回200mgまでの目安を超える |
THE 電解質パウダー - HYROX | ナトリウム650mg、カリウム300mg(水500mLに混ぜる) | ナトリウムは100mLあたり130mg。スポーツドリンクの目安(40〜80mg)より濃く、IOCの表の電解質補給用に当たる |
電解質エナジーパウダー - HYROX | 炭水化物30g、ナトリウム300mg | レース中の炭水化物の目安(1時間あたり30〜60g)に対して、1回分で30g |
エナジー ジェル エリート - HYROX | 炭水化物30g | 同じ目安(1時間あたり30〜60g)に対して、1袋で30g |
THE リカバリー – HYROX | たんぱく質20g、炭水化物15g | たんぱく質は、体重60〜70kgの1回あたりの量(18〜21g)に近い |
プレワークアウト ジェルの商品ページには、子どもや妊娠中の人は摂取しないという注意書きもあります。商品の一覧、価格、日本で買えるかどうかはHYROXとマイプロテインにまとめています。
サプリを選ぶときに確かめることとHYROXのアンチ・ドーピング規定
HYROXの公式ルールブックは第9章で、HYROXのイベントに出るすべてのレーサーに、主催者のアンチ・ドーピング規定を守り、禁止物質の検査に従うことを求めています。HYROXが公開しているアンチ・ドーピング規程は、英語版の表紙に「ELITE DIVISION」とあり、一般の参加者にどこまで及ぶかは文面から言い切れません。この規程は、禁止物質を体に入れないことを本人の義務とし、検出されれば、意図していなくても本人の責任になると定めています。何が禁止されるかは、WADAの禁止表で決まります。
サプリがここで問題になるのは、表示に無い物質が入っていることがあるからです。サプリは医薬品と違って法律上は食品に当たり、成分表にすべての原材料を書く義務がありません。IOCの合意声明も、禁止物質が表示なしで混じったサプリの報告は多く、問題は今も続いているとしています。HYROXの規程には、汚染された製品についての定めがあります。検出された禁止物質が汚染された製品に由来することと、「重大な過失や過失がない」ことの両方を立証できた場合に、資格停止は過失の程度に応じて、戒告のみから最長2年の範囲で決まります。禁止表で乱用物質と特定された物質は、この定めの対象外です。立証するのは本人です。
一般の参加者への検査がどのくらい行われているのかも、公式の文書からは言い切れません。IOCの声明は、ドーピング検査の対象になる選手の大半はプロや国内・国際レベルの選手だとしています。それでも、ルールブックは「すべてのレーサー」と書いています。サプリを選ぶときに確かめる点は5つです。
- 目的を決める。何のために使うのか、食事で足りないのかを先に確かめます
- 成分表示を読む。IOCの声明は、たんぱく質のほかに成分を加えた製品には、根拠の無い成分や、汚染のリスクを高める成分が含まれることがあるとしています。複数の製品を使うときは、カフェインの合計も数えます
- アンチ・ドーピングの認証マークを確かめる。ただし、マークは安全を100%保証するものではありません。すべてのロットが分析されているとは限らず、マークによって審査や分析の頻度が違います
- ロット番号を照合する。認証検査機関(INFORMED-SPORT、INFORMED-CHOICE、BSCG)のサイトで、手元の商品のロット番号が分析済みかを検索できます
- 少量を残して記録する。日本スポーツ栄養協会は、30g程度を残して冷蔵庫で保管し、商品名・ロット番号・日付を写真に残す方法を勧めています。検査で陽性になったときに、原因を調べる手がかりになります
禁止表は改定されます。大会の前に、その時点の版で確かめてください。治療のために薬を使っている人の手続きはHYROXにドーピング検査はある?にまとめています。
大会当日は練習で試したサプリだけを使う
サプリは、量もタイミングも、大会の前に練習で試しておきます。IOCの合意声明は、大会に近い条件の練習で十分に試してから大会で使うよう求めています。海外のトレーニングガイドも、大会の週と当日は新しい食べ物・補給食・サプリを試さず、練習で使ったものにするよう勧めています。吐き気や胃腸の不調が自分に出るかどうかは、試さないと分かりません。

会場では、ROXZONE(ランと種目のあいだを移動する区域)を通るたびに、その前後を含めて最低1回、水が用意されます。自分のジェルや飲料を使う場合は、スタートの時点から身につけて持ち込む決まりです。レース中に、会場のエイドステーション(給水所)以外の人から飲み物や補給食を受け取ると、外部からの補助とみなされ、タイムペナルティが科されることがあります。飲み物の容器の扱いは、ルールブックとHYROX JapanのFAQで書き方が違います。HYROXに持ち込めるもので両方の文面を確かめてください。
レース後は、たんぱく質を体重1kgあたり0.3g、炭水化物を体重1kgあたり0.7g、水分を減った体重の1.25〜1.50倍とるのが目安です。
KEY TAKEAWAYS
- HYROXに必須のサプリはありません。使うなら、食事で足りない日のプロテイン、糖質と電解質を含む飲料やジェル、カフェインの3つが候補です
- たんぱく質は食事と合わせて1日に体重1kgあたり1.2〜2.0g、1回は体重1kgあたり0.3gが目安です(体重60kgで1日72〜120g、1回18g)
- カフェインは、IOCの声明では体重1kgあたり3〜6mgを運動の約60分前に摂ります。海外の機関が示す健康な成人の目安は1日400mgまでで、日本には基準がありません
- クレアチンは筋力と筋肉量が目的のサプリで、始めに1日約20gを摂る期間(ローディング)のあとに体重が1〜2kg増えることがあります。合計8km走るHYROXでは、この体重の増加も考えて決めます
- 電解質の粉末はナトリウムが濃く糖質が少ない製品です。レース中に糖質も補うなら、スポーツドリンクかジェルが当てはまります
- サプリは法律上は食品で、表示に無い物質が入っていることがあります。認証マークは安全を100%保証するものではありません。手元の商品が分析済みかどうかは、ロット番号の照合で確かめられます
- 量とタイミングは練習で試し、大会当日に初めてのサプリを使わないでください
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