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PolarでHYROXを計測する設定(スポーツプロフィールとFree Multisportの使い方)
Polarの時計にHYROX(ハイロックス)という名前のスポーツプロフィールは無く、自分で作ることもできません。一覧にある既存のプロフィールを使い、1つのプロフィールで通して手動ラップで区切るか、Free Multisportでランと種目のプロフィールを切り替えるかの2通りで記録します。Polar公式サポートと取扱説明書をもとに、候補になるプロフィール、2つの方法の選び方と手順、機種ごとの設定項目の違いを整理しました(2026年10月12日時点)。

Polar(ポラール)の時計にも、HYROX(ハイロックス)という名前のスポーツプロフィールはありません。Polar公式サポートに載っている全スポーツの一覧に「HYROX」は無く、スポーツの一覧はPolarが管理しているため、自分で新しく作ることもできません(2026年10月12日時点)。PolarでHYROXを計測するときは、一覧にある既存のプロフィールを使います。
記録の方法は2つです。1つは、Functional training(ファンクショナルトレーニング)などのプロフィール1つで最初から最後まで通し、ランと種目の切れ目でラップを取る方法です。ラップはOKボタンを押すか、画面を指で強くたたいて取るので、操作が少なく済みます。もう1つは、Free Multisport(フリーマルチスポーツ)でランはRunning、SkiErgはSki machineのように、区間ごとにプロフィールを切り替える方法です。ランと種目を別のスポーツとして残せますが、対象は12機種に限られ、切り替えのたびに次のスポーツを選ぶ操作が要ります。
根拠にしたのは、Polar公式サポートのスポーツプロフィール一覧・プロフィールの編集方法・Free Multisportの説明、Vantage V3とGrit X2 Proの取扱説明書、HYROX公式ルールブック(2026/27シーズン版)です。ほかのブランドも含めた時計の選び方はHYROXで使う時計の選び方にまとめています。
PolarにHYROXという名前のプロフィールは無く、自分で作ることもできない
Polar公式サポートの「Polar Sport Profiles」は、Polar Flow(Polarのアプリ・Webサービス)とPolarの機器が対応するスポーツプロフィールをすべて並べたページです。2026年10月12日に確認したところ、このページに「HYROX」という語は1回も出てきませんでした。
自分で「HYROX」というプロフィールを作ることもできません。Polarによると、スポーツの一覧はPolarが管理していて、各スポーツには初期設定と値があり、それがカロリー計算やトレーニング負荷・回復の機能に影響するためです。Polar Flowでできるのは、一覧からスポーツを選んで自分のプロフィールに加え、その設定を変えることです。時計に入れられるプロフィールは最大20個で、Polar Flow(Web)に20個より多く登録していると、同期のときに一覧の先頭から20個が時計に送られます。順番はドラッグ&ドロップで変えられます。
一覧の中で、HYROXの区間に名前が近いプロフィールは次のとおりです。どれがHYROX向けかを、Polarは示していません。右の列は、名前から当てはめた目安です。
Polarのプロフィール名 | 一覧での位置 | 名前から当てはめやすいHYROXの区間 |
|---|---|---|
Running(Road running など) | Running の下 | 1kmのラン |
Treadmill running | Running の下 | トレッドミルでのランの練習 |
Ski machine | Skiing の下 | |
Indoor rowing | Rowing の下 | |
Functional training/Strength training/Circuit training/Kettlebell/High-intensity interval training | 単独の項目 | スレッドプッシュ・スレッドプル・バーピーブロードジャンプ・ファーマーズキャリー・サンドバッグランジ・ウォールボール(同じ名前のプロフィールは無い) |
Fitness racing/Other indoor | 単独の項目 | レース全体を1つのプロフィールで記録するとき |
一覧には「Fitness racing」という名前のプロフィールもあります。HYROXの日本大会の参加規約は大会を「HYROX – the World Series of Fitness Racing」と書いていますが、今回確認したPolarの公式資料には、Fitness racingのプロフィールが何を想定したものかの説明も、HYROXの名前もありませんでした。8つの種目の中身はHYROXの8種目で解説しています。
記録の方法は、操作の少なさと記録の分け方で2つから選ぶ
PolarでHYROXを記録する方法は、1つのプロフィールで通して手動ラップで区切る方法(方法A)と、Free Multisportでプロフィールを切り替える方法(方法B)の2つです。
レース中の操作を少なくしたいなら方法Aです。ランと種目の切れ目ごとに、OKボタンを押すか画面をたたくだけで区切れます。記録は1つのスポーツのままですが、16の区間はラップとして分かれて残ります。
ランと種目を別のスポーツとして残したいなら方法Bです。ランの区間はRunningの設定で、種目の区間はそれぞれ選んだプロフィールの設定で記録されます。その代わり、切り替えのたびにBACKボタンでトランジションモードに入り、次のスポーツを選んでOKを押す操作が要ります。Free Multisportの対象機種は、Grit X・Grit X Pro・Pacer・Pacer Pro・Vantage M・Vantage M2・Vantage V2・Vantage V3・Grit X2 Pro・Vantage M3・Grit X2・Street Xの12機種です。スポーツプロフィールの一覧ページが対象とするIgnite系やUniteは、Free Multisportの対象機種の一覧に入っていません。

どちらの方法でも、ランと種目の切れ目は自分で操作して区切ります。Polarの自動ラップは決めた距離・時間・場所で区切る機能で、ステーションの切れ目を時計が自動で見分ける機能の記載は、今回確認したPolarの公式資料には見つかりませんでした。
方法A:1つのプロフィールで通し、ランと種目の切れ目で手動ラップを取る
方法Aでは、一覧から選んだプロフィール1つで記録を始め、ランから種目へ、種目からランへ移るたびにラップを取ります。HYROXのレースは1kmのランのあとに1種目を行うことを8回繰り返すので、区間は16、ラップを取る切れ目は15か所です。
Vantage V3の取扱説明書によると、手動のラップは次の2つの操作で取れます。
- OKボタンを押す
- 画面を指で強くたたく(Slap): Polar Flowのアプリかウェブで、スポーツプロフィールの設定の「SLAP」を「Take a lap」にすると使えます(Grit X2・Grit X2 Pro・Street X・Vantage M3・Vantage V3の設定項目)
一部の全画面のトレーニングビューでは、OKボタンが別の機能に使われます。その画面を表示している間は、画面をたたいてラップを取ります。ほかの機種のボタン操作は、各機種の取扱説明書で確かめてください。
自動ラップ(Automatic lap)は、Lap distance(決めた距離ごと)、Lap duration(決めた時間ごと)、Location-based(記録を始めた地点に戻るたび)のいずれかで取れます。どれも種目の切れ目とは関係なく入ります。ランと種目でラップを分けたいときは、手動で取れば切れ目の位置を自分で決められます。
計測中の画面(トレーニングビュー)には、ラップの心拍(Lap HR avg・Lap HR max・Last lap HR avg など)や、直前のラップの平均ペースを入れられます。Grit X2・Grit X2 Pro・Street X・Vantage M3・Vantage V3では、1つのスポーツに最大10画面、1画面に最大4項目まで置けます。
ダブルスで出る場合も、区切り方はシングルスと同じです。HYROXのダブルスのルールでは、2人は1kmの区間を必ず一緒に走り、ステーションにも2人そろって入り、そろって出るので、2人の区間の切れ目は同じになります。リレーでは、1人がランを2本・種目を2つ担当し、どれを誰が担当するかはチームが決めます。自分の担当の区間がどこになるかを、レースの前にチームで決めておくと、ラップを取る場所も決まります。ダブルスとリレーのルールはHYROXのダブルスのルールとHYROXのリレーで解説しています。
方法B:Free Multisportでランと種目のプロフィールを切り替える
Free Multisportは、一覧から好きなスポーツを好きな順番で選んで切り替えられるプロフィールです。同じスポーツに戻ることもできます。Polarの説明では、ランから始めて筋力トレーニングに切り替え、自転車に乗り、最後にまたランで終える、という例が挙げられています。HYROXなら、ランはRunning、SkiErgはSki machine、ローイングはIndoor rowing、そのほかの種目はFunctional trainingなど、のように割り当てられます。
始める前に、使うスポーツそれぞれのプロフィールを時計に入れ、設定を済ませておきます。マルチスポーツでは設定をスポーツごとに選び、同じスポーツを何回使っても同じ設定が使われます。Polarの説明では、デュアスロン(ラン→自転車→ラン)の場合、ランニングに選んだ設定が2本のランの両方に使われます。HYROXのランの区間も8本すべてがRunningの設定で記録されます。
記録の始め方と切り替え方は次のとおりです。
- BACKボタンでメインメニューを開き、「Start training」を選んで「Multisport」までスクロールする
- OKを押し、最初のスポーツ(HYROXならラン)を選ぶ
- 時計が信号を捉えたらOKを押す。「Recording started」と表示され、記録が始まる
- 次の区間に移るときは、BACKボタンでトランジションモードに入る(Vantage V3の取扱説明書では、ここで「Switch sport」を選ぶ)
- 次のスポーツを選んでOKを押す。トランジションの時間が表示され、そのまま記録が続く
HYROXでは4と5を、ランと種目の切れ目ごとに繰り返します。16区間のレースなら15回です。

Polar Flowでプロフィールを追加・編集する手順
どちらの方法でも、使うプロフィールはPolar Flowで時計に入れておきます。
プロフィールを追加する
- Polar Flow(Web): 右上の名前かプロフィール写真 →「Sport profiles」→「Add sport profile」→ 一覧からスポーツを選ぶ
- Polar Flowアプリ: メインメニュー →「Sport profiles」→ 右上の「+」→ 一覧からスポーツを選ぶ(Androidは「Done」を押す)
プロフィールの設定を変える
- Polar Flow(Web): 「Sport profiles」→ 変えたいスポーツの「Edit」→ 設定して「SAVE」
- Polar Flowアプリ: 「Sport profiles」→ スポーツを選んで「Edit」→ 設定して「Done」
設定を変えたら、時計と同期します。プロフィールが20個を超えている場合は、HYROXで使うものを一覧の上の方に並べておきます。
設定の中に「AUTOMATIC PAUSE(自動一時停止)」があります。オンにすると、止まったときに記録が自動で一時停止し、動き出すと再開します。SkiErg・ローイング・ウォールボールのような、その場から動かずに行う屋内の種目でこの機能がどう働くかは、今回確認したPolarの公式資料には書かれていません。記録が意図せず止まるのを避けたいときは、使うプロフィールでオフにしておけます。
機種によって、設定できる項目が少し違います。Free Multisportの対象の12機種について、Polar公式サポートの説明を並べると次のとおりです。
機種 | 自動ラップ | トレーニング音 | 心拍ゾーンの設定 | 自動一時停止 |
|---|---|---|---|---|
Grit X2/Grit X2 Pro/Street X/Vantage M3/Vantage V3 | 距離・時間・場所 | あり | Default/Custom | Off/On(使うにはGPSの記録間隔を Every 1 second (high) にする) |
Grit X/Grit X Pro/Pacer Pro/Vantage V2 | 距離・時間・場所 | あり | Default/Free | 使うにはGPSか速度センサーが要る |
Vantage M/Vantage M2/Pacer | 距離・時間・場所 | 項目なし | Default/Free | 使うにはGPSか速度センサーが要る |
心拍の表示と、手首の心拍についてのPolarの説明
Grit X2・Grit X2 Pro・Street X・Vantage M3・Vantage V3では、プロフィールごとに心拍の表し方を、1分あたりの拍数(bpm)・最大心拍数に対する割合・心拍予備に対する割合から選べます。心拍ゾーンは、初期の値(Default)のまま使うか、自分で決めた値(Custom)にするかを選びます。
Polarの読み物(公式ジャーナル)は、HYROXでは心拍に基づくペース配分が大事だとしたうえで、区間によって手首の心拍の測れ方が違うと書いています。ランの区間は腕振りが一定なので手首の光学式の心拍が安定する一方、ソリやファーマーズキャリーのようにグリップを強く握る種目では、血流の乱れで測定に「ノイズ」や遅れが出やすい、という説明です。そのうえで、胸に着けるストラップ(例としてPolar H10)を時計と組み合わせると、強く握る種目でも心拍が途切れにくくなるとしています。いずれもメーカー自身の読み物の説明で、測定した数字は示されていません。
なお、胸のストラップはHYROXのルールブックで使用が許されている7点には入っていません。大会で着けたいときは、次の節のルールを確かめてください。練習と本番で心拍数をどう使うかはHYROXの練習と本番で心拍数をどう使うかで解説しています。
大会で使う前に確かめておきたいHYROXのルール
大会の公式のタイムは、参加者全員が着けるタイミングチップで計測されます。HYROX Japanのよくある質問によると、チップは大会の受付で渡され、右足首に着けます。時計の記録は、自分用の記録として使います。HYROX公式ルールブックでは、タイミングチップを着けずにレースをすると、出走していない扱い(DNS)になります。
1kmのラン区間は、会場の作りによって複数の周回で構成されることがあります。シングルスとリレーのルールブックには、ランの周回を正しく数えるのはレーサー自身の責任で、会場のラップ表示は公式の記録ではなく参考の補助にすぎないと書かれています。
腕時計を着けてレースに出てよいかについては、ルールブックの許可リスト(7点)にも禁止リスト(9点)にも名前がありません。ルールブックは、許可リストに無い物は原則として禁止とし、使いたい物はレース前に大会ディレクターの書面の許可を得るよう定めています。詳しくはGarminでHYROXを計測する設定の冒頭で整理しています。
ほかのブランドの設定は、COROSでHYROXを計測する設定、AmazfitのHYROXモードの使い方、Apple WatchでHYROXを計測する設定にまとめています。
KEY TAKEAWAYS
- Polarの時計にHYROXという名前のスポーツプロフィールは無く、スポーツの一覧はPolarが管理しているため自分で作ることもできません(2026年10月12日時点)
- 記録には既存のプロフィールを使います。HYROXの区間に名前が近いのは、Running、Ski machine、Indoor rowing、Functional training、Fitness racingなどです
- 操作を少なくしたいなら、1つのプロフィールで通し、ランと種目の切れ目でOKボタンを押すか画面をたたいて手動ラップを取ります。切れ目は15か所です
- ランと種目を別のスポーツで残したいなら、Free Multisportで切り替えます。対象は12機種で、切り替えのたびにBACKボタン→次のスポーツ→OKの操作が要ります
- 時計に入れられるプロフィールは最大20個です。使うプロフィールはPolar Flowで追加・設定して同期し、自動一時停止のオン・オフも確かめておきます
- 大会の公式のタイムは右足首のタイミングチップで計測されます。腕時計や胸のストラップは、ルールブックの許可リスト(7点)にも禁止リスト(9点)にも名前がありません。許可リストに無い物は原則禁止という一般の決まりがあるため、大会で使いたいときはレース前に大会に確かめてください
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