ギア · 6 MIN READ
HYROXで使う時計の選び方(ラップ計測・心拍・対応機種)
HYROX(ハイロックス)の公式ルールでは、レース中のタイム計測は足首のタイミングチップが担い、ランの周回を数えるのはレーサー自身の責任とされています。この記事では、時計にどんな機能が要るのかをルールブックから示したうえで、Amazfit・Garmin・Apple Watch・COROSそれぞれの対応状況を各社の公式サイト・サポートページから整理しました(2026年9月27日時点)。

HYROX(ハイロックス)は1kmのランのあとに1種目を行い、これを8回繰り返すレースです。この構成自体は種目ガイドで扱いますが、時計選びに直結するのは次の2点です。公式のタイム計測は大会側が配るタイミングチップが足首で担い、ランの周回を正しく数えるのはレーサー自身の責任と定められています。
つまり時計に最初に求められるのは、心拍でも見た目でもなく「自分でラップを数え間違えないこと」です。この記事では、その前提を公式ルールブックから示したうえで、時計ブランドごとの対応状況を各社の公式サイト・サポートページから整理します(2026年9月27日時点)。先に結論を言うと、HYROXの公式ウェアラブル&タイムキーピングパートナーは現時点でAmazfitのみで、Garmin・Apple Watch・COROSは公式提携ではなく、それぞれ別の方法で対応しています。特定の一台を「おすすめ」として順位づけることはせず、公式の仕様と公式の表示価格だけを比較します。
公式のタイム計測は足首のタイミングチップが担う
ランの周回を数えるのはレーサー自身の責任
HYROXのルールブックは、ランの周回を正しく数える責任がレーサー自身にあると明記しています。数え間違えて余分に走っても時間は調整されず、会場に用意されたラップ表示(スクリーン)は公式の記録ではなく、あくまで参考の補助に過ぎません。この規定はシングルスとリレーのルールブックで確認できます(ダブルスのルールブックには同一の条文が見当たらないため、ダブルスについては断定しません)。
周回が足りないまま次に進んでしまった場合のペナルティも軽くありません。会場のコース設定によって、1周につき3分から7分の加算、あるいは1周回設定の会場では失格になります。
会場のラップ画面をあてにできない以上、時計側でラップを区切れることが実務的に重要になります。ランと種目が交互に来る8ラウンドを、時計のラップ・インターバル機能で1つずつ区切っておくと、数え間違いに気づきやすく、レース後の振り返りにも使えます。

HYROXの公式ウェアラブル&タイムキーピングパートナーは、今のところAmazfitだけ
ブランド選びで最初に押さえておきたいのは、HYROXが特定の時計ブランドと公式パートナー契約を結んでいるという事実です。その相手はAmazfitで、当初は2年契約として発表され、2026年4月15日に3年間のグローバル契約へ拡大されました。Amazfitの公式サイトは「Amazfitは対応機種全体でHYROX公式モードを提供する唯一のウェアラブルブランドである」と明記しています。
具体的な機能として、対応機種にはHYROXレースモードが搭載されています。種目別のラップタイム計測、レース中の進行状況の把握、レース後の詳細なパフォーマンス分析に対応する専用モードです。2026年9月27日時点で、Amazfit公式サイトの商品コレクション「Amazfit watches with HYROX Race Mode」には16点が掲載されており、このうち14点が腕時計、2点(Helio Strap/Helio Strap Pro)は腕時計ではなく腕に着けるストラップ型センサーです(今後の機種追加・販売終了で変動する可能性があります)。
日本でもAmazfitは正規代理店(株式会社アースリボーン)を通じて公式に販売されています。代表機種のAmazfit Balance 3は2026年7月10日に日本で正式発売され、税込の価格は63,800円です(メーカー希望小売価格)。価格・発売時期はメーカー公式サイトで随時確認してください。
心拍の公式パートナーはMyzone。時計とは別枠の胸ストラップ
もう一つ知っておきたいのが、HYROXには心拍計測についても別の公式パートナーがいることです。HYROXは2021年9月9日、Myzoneを公式心拍モニターパートナーに任命したと発表しました。
これは時計ブランドの契約ではなく、胸ストラップ型のセンサーを対象にした別枠の契約です。手首の時計そのものの心拍計測は、多くの機種が標準で備えている機能であり、レース中に自分のペース管理として使う分にはブランドを問わず利用できます。
Garmin・Apple Watch・COROSは、公式提携ではなく別の方法で対応している
Amazfit以外のブランドにも、HYROXのような「ランと種目を交互に繰り返す」種類の記録に使える機能はあります。ただし、いずれもHYROXとの公式提携ではなく、それぞれ別の方法で対応している点は区別しておく必要があります。

Garmin自身はHYROXとの公式提携を発表していません。純正の機能としては「マルチスポート」アクティビティがあり、任意の2種目以上を自由に組み合わせて記録できるほか、種目の切り替えを自動検知する「Auto Sport Change」も設定できます。ただし、Garmin公式のオーナーズマニュアルが想定している用途はトライアスロン・デュアスロン・Swimrunで、ランとウォールボールのような機能的トレーニングの組み合わせは想定の外です。そのため、Connect IQストアには「Hyrox Partner」「Hyrox - Training」のようにHYROXの名を冠したアプリが複数公開されていますが、これらはGarmin本体ではなく個人開発者が作った有料のサードパーティ製アプリです。
Apple Watchも同様に、HYROXとの公式提携はありません。Apple公式のワークアウトタイプ一覧は76種類あり、「Functional Strength Training」や「Multisport」、「Other」といった項目もありますが、「HYROX」という項目自体は存在しません。しかもApple公式サポートページが説明する「マルチスポート」の自動切替対象は、ランニング・サイクリング・スイミングの3種目のみです。ランとファンクショナルストレングストレーニングの間を自動で切り替えるとは公式には説明されておらず、実際の運用は「Functional Strength Training」や「Other」を都度選び直す形になります。
COROSは、他の2社とは少し違う対応をしています。2026年3月の機能アップデートで「Hybrid Fitness」モードを追加し、公式の説明は「ランから次の種目へ移ったことを自動的に認識する」としています。ランと種目の切り替えを自動検知するという点ではAmazfitのHYROXレースモードに近い機能ですが、対応するのはPACE 3・PACE 4・PACE Pro・APEX 2/2 Pro・APEX 4・NOMAD・VERTIX 2/2Sの7シリーズで、COROSの公式ページ内に「HYROX」という語は使われていません。自社の汎用機能として提供している位置づけです。
Polar・Suunto・WHOOPでHYROXを記録する手順は、Polarの記事・Suuntoの記事・WHOOPの記事にまとめています。
KEY TAKEAWAYS
- 公式のタイム計測は足首のタイミングチップが担う。手首の時計はこの記録には関与しない
- ランの周回を数えるのはレーサー自身の責任。会場のラップ表示は参考の補助であり、数え間違えても時間は調整されない。周回不足は1周あたり3〜7分の加算、設定によっては失格につながる
- HYROXの公式ウェアラブル&タイムキーピングパートナーは、当初2年契約で開始し、2026年4月に3年間のグローバル契約へ拡大されたAmazfitのみ。16点(腕時計14点・ストラップ型2点)にHYROXレースモードを搭載し、日本でも正規代理店を通じて販売されている
- 心拍の公式パートナーはMyzone(胸ストラップ型センサー)で、時計ブランドとは別枠の契約
- Garmin・Apple Watch・COROSは公式提携ではなく、純正の汎用機能(マルチスポート等)かサードパーティ製アプリで代用している。とくにApple Watchの公式マルチスポートはラン・サイクル・スイムの自動切替のみで、ファンクショナルストレングストレーニングとの自動切替は公式には説明されていない
NEWSLETTER
ギアや大会の新しい情報を知りたい方へ
ギアの記事や、大会・ジムの新しい情報をメールでお届けします。登録はメールアドレスだけで、いつでも停止できます。
ご登録の前にプライバシーポリシーをご確認ください。