トレーニング · 6 MIN READ
自宅でできるHYROXの練習|器具なし・レジスタンスバンドとダンベルで8種目に近づく代用トレーニング
HYROXの器具があるジムが近くに無くても、8種目のうち多くは自宅にある物やレジスタンスバンド・ダンベルで練習できます。海外のトレーニングガイド15件を照合し、2件以上が一致して勧めている代用法だけを種目ごとに整理しました。バーピーブロードジャンプのように代用が要らない種目と、代用では埋まらない部分も分けて書いています。

HYROX(ハイロックス)の8種目のうち、バーピーブロードジャンプだけは特別な器具を使わない自重運動で、残り7種目は程度の差はあれ専用の器具(エルグマシン、スレッド、ケトルベル、サンドバッグ、ウォールボール)を使います。近くにHYROXの器具が揃ったジムが無い場合でも、自宅にある物やレジスタンスバンド・ダンベルといった小さな器具で、種目ごとの動きの型に近づける方法があります。
この記事では、海外のトレーニングガイド15件を照合し、2件以上の記事が一致して勧めている代用法だけを、8種目それぞれについて整理します。1件の記事にしか出てこない代用法は載せていません。代用は本物と同じではないという点は、複数の記事が共通して指摘しています。スレッドプッシュの代用トレーニングは、別記事のスレッドプッシュの代用トレーニングで6件の記事をもとに詳しく整理しているので、この記事では要点だけに絞ります。
8種目を、手元にある物で分けると
代用にどこまで近づけられるかは種目によって違います。何も要らない種目、家にある物で足りる種目、レジスタンスバンドやダンベルがあると近づけやすい種目に分けると、自分の家に何があれば練習を始められるかが見えてきます。

種目ごとの代用
バーピーブロードジャンプ(80m)— 代用は不要
公式ルールブックの規定を見ても、バーピーブロードジャンプには器具の記載が一切ありません。両手を地面につけてバーピーをし、そこから両足をそろえて前に跳ぶという自重の動きだけで完結する種目です。8種目の中で唯一、自宅でもジムでも本番と同じ動きをそのまま練習できます。
スキーエルグ(1000m)
スキーエルグは、股関節を折りたたむ動きと上半身で引く動きを組み合わせて1000mを漕ぐ種目です。自宅では、頭上に固定したレジスタンスバンドを、股関節を折りたたみながら引き下ろす動き(バンドプルダウン)が代用になります。この動きは海外のトレーニングガイド6件が挙げています(FitnessVolt・Velites・Hyrox Vault・simongPT・Repz・Recharge Fitness)。
ただし2点、注意があります。Repzは、バンドを固定する場所について「運動用に設計された高い位置の固定具を使い、バンドと固定具が傷んでいないか確認してから行う」ことを勧め、即席の固定はしないよう注意しています。またHyrox Vaultは、この代用で鍛えられるのは動きの型と上半身の力であって、1000mを漕ぐ有酸素運動としての負荷そのものは再現できないとしています。
スレッドプッシュ(50m)とスレッドプル(50m)
スレッドプッシュの代用は、坂道ダッシュ・壁を押す練習・脚の筋力トレーニング・床の上で重い物を押す練習など複数あり、スレッドプッシュの代用トレーニングに詳しくまとめています。
スレッドプルは、引く動作の練習で代用します。Hyrox Vaultは、床に座ってレジスタンスバンドを足に掛け、腰に向けて引くロー動作を挙げ、バンドが無ければ床の高さのドアノブにタオルを掛け、上体を後ろに倒しながら引く方法も紹介しています。simongPTは、レジスタンスバンドのプルスルーや、前かがみで行う重いロー(ベントオーバーロー)を挙げています。
ローイング(1000m)
ローイングも1000mを漕ぐ有酸素種目で、レジスタンスバンドを使った高回数のロー動作が代用になります。Hyrox VaultとRecharge Fitnessの2件が、この動きを挙げています。
自宅に他の有酸素運動の機材が無い場合、漕ぐ感覚そのものを再現する方法はありません。Hyrox Vaultは、代用では有酸素運動としての負荷そのものは正確には再現できないとしたうえで、ジャンプロープや自転車で持久力の代わりにする方法を挙げています。simongPTは、SkiErgやエアバイクがあればそれを使う方法を挙げています。8種目の中で、自宅での代用が最も手薄な種目です。
ファーマーズキャリー(200m)
ファーマーズキャリーは、重いケトルベルを両手に持って200m歩く種目です。たとえば男子オープンは24kgのケトルベルを両手に1つずつ持ちます。自宅では、買い物袋・リュック・水を入れた容器など、握って歩ける重い物なら代用になります。Gymshark・Hyrox Vault・Recharge Fitnessの3件が、この考え方を挙げています。
サンドバッグランジ(100m)
サンドバッグランジは、サンドバッグを背負って100mのウォーキングランジを行う種目です。たとえば男子オープンは20kgのサンドバッグを使います。自宅では、リュックに本や水などを詰めて背負い、ウォーキングランジを行う方法が代用になります。ダンベルを持って行うランジでも近い負荷になります。Hyrox Vault・Recharge Fitness・TRX・PureGymの4件が、負荷を背負った・持ったウォーキングランジを挙げています。
ウォールボール(100回)
ウォールボールは、4〜9kgのボールを壁の的に向かって100回投げる種目です。自宅では、ダンベルやケトルベルを使ったスラスター(しゃがんでから頭上に押し上げる一連の動き)が代用になります。Gymshark・Recharge Fitnessの2件がこの動きを挙げています。Hyrox Vaultは、スラスターではなくゴブレットスクワットと頭上へのプレスを2つの動きに分けて練習する方法を挙げています。
海外のトレーニングガイドは、種目ごとにどれだけ一致しているか
同じ代用法を挙げている記事の数を種目ごとに数えると、一致度に差があります。スキーエルグとスレッドプッシュは6件と最も多く一致しており、ローイングは2件にとどまります。

ローイングの一致が少ないのは、トレーニングガイドの側でも「漕ぐ感覚は再現できない」という前置きが多く、具体的な代用法として1つの動きに絞り切れていないためだと考えられます。
器具を少しだけ買うなら
自宅の練習を長く続けるなら、何を買うと一番多くの種目をカバーできるかを知っておくと選びやすくなります。この記事で挙げた代用法をもとに数えると、レジスタンスバンド1本でスキーエルグ・スレッドプル・ローイングの3種目、ダンベルかケトルベル1組でファーマーズキャリー・サンドバッグランジ・ウォールボールの3種目に近づけられます。サンドバッグランジとファーマーズキャリーは、リュックに本や水を詰めるだけでも代用になるので、器具を買う前にまず家にある物で試せます。
代用だけでは埋まらないもの
代用トレーニングで動きの型や筋力は鍛えられますが、埋まらない部分もあります。HYROX公式サイトは、大会前に少なくとも1回は本物のスレッドを押しておくことを勧めています。スキーエルグについても、Repzが「有酸素の負荷や連続した動きの強度までは再現できない」としているとおり、1000mを漕ぐ感覚そのものは実機でしか確かめられません。
東京でスキーエルグやスレッドがあると確認できたジムは、東京でHYROXの練習ができるジムにまとめています。大会が近づいてきたら、一度は実機に触れておくのがおすすめです。
自宅に器具を揃える場合の選び方は自宅に揃える器具にまとめています。集合住宅で音と振動を抑えて練習する方法は、マンションでHYROXの練習を静かに行う方法にまとめています。公園や河川敷で練習するときにできる種目と、器具の持ち込みの決まりは、屋外での練習の記事にまとめています。
KEY TAKEAWAYS
- HYROXの8種目のうち、バーピーブロードジャンプは自重運動で代用が不要。残り7種目は程度の差はあれ器具が要るが、多くは自宅にある物や小さな器具で動きの型に近づけられる
- レジスタンスバンド1本でスキーエルグ・スレッドプル・ローイングの3種目、ダンベルかケトルベル1組でファーマーズキャリー・サンドバッグランジ・ウォールボールの3種目に近づけられる
- 種目ごとの一致度には差があり、スキーエルグとスレッドプッシュは6件の記事が一致する一方、ローイングは2件にとどまる
- 代用は本物と同じではない。スレッドを押す感覚とスキーエルグの有酸素負荷は、複数の記事が「代用では埋まらない」と指摘している
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