トレーニング · 8 MIN READ
HYROX対策をパーソナルトレーナーに頼むときに伝えること|部門・重さ・大会日・弱い種目
HYROX対策をパーソナルトレーナーに頼むとき、「HYROXに出ます」だけでは正しいメニューになりません。出る部門、部門ごとに公式で決まっている種目の重さ、目標にする大会の日程、感覚ではなく公式規格でのセルフテストで見つけた苦手な種目。この4つを公式ルールブックと海外のトレーニングガイドから整理しました。

HYROX(ハイロックス)対策をパーソナルトレーナーに頼むなら、伝えるべきことは4つです。出る部門(性別・シングルスかダブルスかリレーか・オープンかプロか)、部門ごとに公式で決まっている種目の重さ、目標にする大会の日程、そして感覚ではなく公式規格でのセルフテストで見つけた苦手な種目。この4つがあれば、トレーナーがHYROXの経験を持っていなくても、規格に沿ったメニューを組めます。
部門ごとの重さと年齢区分の決まり方は公式ルールブック(シングルス・ダブルス・リレー、2026/27シーズン版)から、練習に必要な期間の目安は海外のジム・器具ブランドが公開しているトレーニングガイドの一致点から整理しています。練習メニューの中身そのもの(8週間・12週間の組み立て方)は兄弟記事「HYROX初出場のための練習の組み立て」、部門ごとの重さの全表は「HYROXの重量一覧」にまとめているため、本記事は「トレーナーに何を伝えるか」という受け渡しの部分に絞ります。
パーソナルトレーニングを定期的に受けている場合、契約しているトレーナーがHYROX専門である必要はありません。以下、部門・重さ・大会日・苦手な種目の順に、伝える内容と、その根拠になっている公式規格を整理します。
まず、出る部門(性別・シングルス/ダブルス/リレー・オープンかプロか)を伝える
HYROXには1人で出るシングルス、2人1組のダブルス、4人1組のリレーの3つの出方があります。シングルスはWomen・Women Pro・Men・Men Proの4部門、ダブルスはそこにMixed(男女ペア)が加わった5部門です。一方リレーにはWomen・Men・Mixedの3部門しかなく、シングルス・ダブルスにあるプロ部門自体がありません。
年齢区分の決まり方も出方で変わります。シングルスは選手本人の大会当日の年齢、ダブルスは2人の平均年齢、リレーは4人の平均年齢で決まります。どの出方も参加できる年齢は16歳以上です。3つの出方の違いは「HYROXのシングルス・ダブルス・リレーの違い」、年齢区分の詳細は「HYROXの年齢区分」で扱っています。
この「部門」が、重さ・練習の重点のすべての土台になります。しかもHYROX公式ヘルプセンターの案内によると、チケットをアクティベート(個人情報を登録)したあとは、性別カテゴリーやチーム形式を含めてディビジョンの変更が一切できません。Flex Ticket Add-Onを付けている場合のみ、キャンセルして正しい部門で再登録できますが、それ以外は誤って登録した部門のまま出場することになります。エントリー方法自体は「HYROXのエントリー方法とチケットの買い方」にまとめていますが、トレーナーに伝える部門は、このエントリーが確定する前の時点で固めておく必要があります。
部門ごとに公式で決まっている種目の重さを伝える

8種目のうち、重さが公式で決まっているのはスレッドプッシュ・スレッドプル・ファーマーズキャリー・サンドバッグランジ・ウォールボールの5つです。残りのスキーエルグ・ローイング・バーピーブロードジャンプは距離や回数だけが決まっていて、重さの指定はありません。
重さは部門ごとに決まりますが、覚え方には2つの注意点があります。1つ目は、ダブルスだから軽くなるわけではないこと。ファーマーズキャリーのケトルベルは女子シングルスも女子ダブルスも1本16kg、サンドバッグランジのサンドバッグも女子シングルスも女子ダブルスも10kgで、重さは変わりません。変わるのは、種目の中で距離・回数を2人で分け合える点だけです(ラン自体の分担ルールは出方によって違うため、次の節で扱います)。2つ目は、ミックスダブルスの重さは女子ダブルスの列ではないこと。ミックスダブルスのスレッドプッシュは152kg(合計、ソリを含む)で、これは女子ダブルスの102kgではなく、男子ダブルス(オープン)と同じ重さです。ウォールボールも同様に、ミックスダブルスは6kgで男子と同じ重さを扱います。
トレーナーに重さを伝えるときは、部門ごとの全表を丸ごと渡す必要はありません。自分が出る部門の行だけを渡せば十分です。部門ごとの重さの全表は「HYROXの重量一覧」に、種目ごとの規格とやり方は各種目の記事(スレッドプッシュ・スレッドプル・ファーマーズキャリー・サンドバッグランジ・ウォールボール)にまとめています。ジムにスレッドが無い場合は、その旨も伝えれば「スレッドプッシュの代用トレーニング」のような代用メニューに組み替えてもらえます。
大会の日程を、練習に使える期間とセットで伝える
トレーナーには目標にする大会の日程そのものと、今日からその日までに使える期間の両方を伝える必要があります。日本のHYROX大会の一覧は「日本のHYROX大会一覧」で確認できます。
海外のジム・器具ブランドのトレーニングガイド(PureGym・RitFit・Traverse Fitness・STRIDE Fitnessの4件)は、練習に必要な期間の目安として、すでに走ったり筋力トレーニングをする習慣がある人は8週間、これから運動を始める・久しぶりに再開する人は12週間という目安で一致しています。大会日をこの期間より近い時点で伝えると、トレーナーは「本番の重さに近づける」段階を短縮したメニューを組む必要があると分かります。
練習の頻度についても、複数の記事が一致する目安があります。1週間に5回前後(内訳を示すRitFitは、ランニング3〜4回+筋力・種目の練習2〜3回)、走った直後に種目をこなす「コンプロマイズド練習」を少なくとも週1回、3〜8週間に1回の「デロード」週、レース前最後の1週間は練習量を3〜5割減らす「テーパー」。これらの頻度・段階の組み立て方の詳細は「HYROX初出場のための練習の組み立て」にまとめています。トレーナーには大会日を伝えるだけでなく、逆算した週数まで伝えると、テーパーやデロードのタイミングを大会日から自動で決めてもらえます。
パートナーと出る場合、ラン自体の分担ルールは出方によって違います。ダブルス・ミックスダブルスは1,000mごとのランを2人が常に一緒に走る規則で、一方が先行すると1分のペナルティが科されるため、ラン自体は分担できません。分担できるのは種目内の距離・回数だけです。一方、4人で出るリレーは、8kmのランと8種目のどれを誰が担当するかをチーム側が自由に決められます。ダブルス・ミックスダブルスの練習に特有の項目は「HYROXをペアで練習するメニュー」で扱っています。
苦手な種目を、公式規格でのセルフテストの結果で伝える

「体力に自信がない」「下半身が弱い気がする」という伝え方では、トレーナーはどこを重点的に鍛えればいいか判断できません。HYROXは1kmのランのあとに1種目を行い、これを8回繰り返す構成なので、苦手な種目は部門ごとの公式の重さ・距離・回数で実際に試した結果として伝えるのが具体的です。
やり方は単純です。8種目それぞれを、自分の部門の重さ・距離・回数でひとつずつ試し、時間を計ります。止まらず通せない種目、他の種目に比べて明らかに時間がかかる種目を記録します。公式規格の重さを初めて試す種目は、ウォームアップを挟み、いきなり全力で追い込まずに行ってください。ジムに器具が無い種目は、代用トレーニングで試した結果でもかまいません。伝える内容は「体力がない」ではなく、たとえば「ファーマーズキャリー200mを、規定の重さで止まらず運べない」のように、種目名と規格をセットにします。
HYROX公式サイトは「50% is Running」という見出しで、8kmのランを1kmずつ8回に分割する構成を説明し、筋力だけでなく持久力の準備も必要だとしています。8種目のセルフテストで大きな差が出なくても、ランのペースだけが遅れている場合もあります。ペース配分の考え方は「HYROXのペース配分とRoxzoneの動き方」にまとめています。セルフテストは大会直前の1回だけでなく、練習の節目ごとに繰り返し、結果の変化をそのつどトレーナーに報告すると、メニューの重点を更新してもらえます。
パーソナルトレーナーがHYROX専門である必要はない
HYROXの運営元は、施設向け・コーチ個人向けそれぞれに公式の認定制度を持っています。施設向けの加盟はHYROX Training Clubか、審査制のHYROX Performance Centerのいずれかで、すでにTraining Clubとして加盟している施設だけが、専用器具パックを導入する追加のアップグレード「HYROX Training Zone」を選べます。コーチ個人向けにはPerformance Coachなどの認定があります。これらの認定制度の詳しい違いは「「HYROX認定ジム」とは」にまとめています。
裏を返せば、契約しているパーソナルトレーナーがこうした認定を持っていなくても、対策メニュー自体は組めます。トレーナーに必要なのは、HYROXの経験ではなく、部門・重さ・大会日・苦手な種目という4つの具体的な情報です。筋力トレーニングやランニングの指導経験があるトレーナーであれば、この4つを渡すことで規格に沿ったメニューに落とし込めます。
ジムにスレッドやサンドバッグなどの専用器具が無い場合は、器具のあるジムを探すか、自宅・普通のジムでの代用トレーニングに置き換えるかの相談になります。東京・名古屋・大阪でHYROXの練習ができるジムは「東京」「名古屋」「大阪」の各記事に、エニタイムフィットネスやゴールドジムなど大手チェーンでの対応状況は「HYROXの練習とジムチェーン」にまとめています。
KEY TAKEAWAYS
- パーソナルトレーナーに伝えるべきことは4つ。出る部門、部門ごとに公式で決まっている種目の重さ、大会の日程、公式規格でのセルフテストで見つけた苦手な種目
- 部門(性別・シングルス/ダブルス/リレー・オープン/プロ)は重さと年齢区分の土台になる。チケットのアクティベート後は部門を変更できないため、伝える部門はエントリー確定前に固めておく
- 重さが決まっている種目は5つ。ダブルスでも1人あたりの重さはシングルスと同じで、ミックスダブルスは女子ダブルスではなく男子オープンと同じ重さになる
- 大会日は「いつ」だけでなく「今日から何週間あるか」までセットで伝える。運動習慣がある人は8週間、これから始める人は12週間が目安
- 苦手な種目は「体力がない」ではなく、部門の規格でセルフテストした結果(止まらず通せない種目・時間がかかる種目)を具体的に伝える
- トレーナー自身がHYROX認定を持っている必要はない。4つの情報を渡せば、経験豊富なトレーナーなら規格に沿ったメニューを組める
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