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トレーニング · 12 MIN READ

普通のジムでできるHYROXの練習メニュー|スレッドが無いジムで組む1回分の通し練習

スレッドやウォールボールの的が無い普通のジムでも、HYROX(ハイロックス)の練習メニューは組めます。8種目を「そのまま練習できる」「機械があれば本物で練習できる」「代わりの動きに置き換える」に分け、トレッドミル・ローイングマシン・ケーブルマシン・ダンベルなどで1kmのランと交互に行う1回分の通し練習の組み方を、ルールブックと海外のトレーニングガイドから紹介します。

普通のジムでできるHYROXの練習メニュー|スレッドが無いジムで組む1回分の通し練習

スレッドやウォールボールの的が無い普通のジムでも、HYROX(ハイロックス)の練習メニューは組めます。8種目のうち、バーピーブロードジャンプは器具が要らず、ファーマーズキャリーはジムのケトルベルやダンベルで、ランはトレッドミルで、本番と同じ動きを練習できます。ローイングとスキーエルゴは、ジムにその機械があれば本物で練習できます。残りの種目はジムにある器具で代わりの動きに置き換え、1kmのランと交互に行う通し練習の形にまとめます。

種目ごとの代わりの動きは、当サイトの代用トレーニングの記事で1種目ずつ紹介してきました。この記事では、それを1回のジムの練習でどう並べるかを扱います。使える時間が30〜40分なら苦手な種目を3〜4つ選ぶ形、45〜60分なら8種目の前半か後半の4種目に絞る形です。

根拠にしたのは、HYROX公式のルールブック(2026/27シーズン)、通し練習の組み方を示した海外のトレーニングガイド(Hybrid Pro Coach ほか)、各種目の代わりの動きを挙げたトレーニングガイド、エニタイムフィットネス公式サイトの店舗情報です(2026年10月2日時点)。

01

8種目を普通のジムで練習する方法の一覧

HYROXの本番では、1kmのランと1つの種目を交互に8回繰り返します(ランは合計8km)。種目ごとの本番の量と、普通のジムでの練習のしかたを並べると次のようになります。重さはシングルスのオープン部門(女子/男子)の値です。ミックスダブルスなど、ほかの部門の重さはHYROXの重量一覧で確かめてください。

順番

種目

本番の量と重さ(女子/男子)

普通のジムでの練習

1

スキーエルゴ

1000m

機械があればそのまま。無ければ代わりの動き

2

スレッドプッシュ

50m・ソリ込み102kg/152kg

代わりの動き

3

スレッドプル

50m・ソリ込み78kg/103kg

代わりの動き

4

バーピーブロードジャンプ

80m

器具なしでそのまま

5

ローイング

1000m

機械があればそのまま。無ければ代わりの動き

6

ファーマーズキャリー

200m・ケトルベル片手16kg/24kg

ケトルベルかダンベルでそのまま

7

サンドバッグランジ

100m・サンドバッグ10kg/20kg

代わりの動き

8

ウォールボール

100回・ボール4kg/6kg

ボールと的があればそのまま。無ければ代わりの動き

バーピーブロードジャンプは、器具を使わない自重の種目です。ファーマーズキャリーは本番でケトルベルを両手に1つずつ持って歩く種目で、Hyrox Vaultも練習にはダンベルかケトルベルがあれば理想的だとしています。ランはトレッドミルで行えます。

この3つで条件になるのは、器具よりも床の広さです。Hyrox Vaultは、スキーエルゴ・重りを載せたスレッド・ローイングマシンに加えて、ファーマーズキャリーができる広さの床までそろった施設は、どの街にもあるわけではないと書いています。跳びながら進むバーピーブロードジャンプや、持って歩くファーマーズキャリーができる場所があるかを、自分のジムで確かめておきましょう。

02

ローイングとスキーエルゴはジムにConcept2の機械があるかを確かめる

本番のローイングとスキーエルゴは、Concept2というメーカーの機械で行います。Concept2は自社サイトで「The Official Ergs of HYROX」と掲げ、HYROXのグローバルパートナーとして全大会の器具の統一性を確保していると説明しています。ジムにConcept2のローイングマシンやスキーエルゴがあれば、本番と同じ機械で練習できます。

ただし、普通のジムにこの機械があるとは限りません。編集部がエニタイムフィットネスの公式サイトで全店舗を確認したところ(2026年10月1日時点)、店舗一覧に載る1,328店のうち、Concept2の絞り込みに出てくるのは140店でした。マシン一覧にスキーエルゴと書かれていた店舗は15店です。エニタイムフィットネスは、店舗ごとに導入しているマシンが違うと説明しています。

マシン一覧に書かれていないことは、その店舗に機械が無いという意味ではありません。通っているジムの設備は、公式サイトのマシン一覧かスタッフへの確認で確かめてください。エニタイムフィットネスでの探し方はエニタイムでスキーエルゴがある店舗の探し方、ゴールドジムなどほかのチェーンでの確かめ方はエニタイムやゴールドジムでHYROXの練習はできる?にまとめています。公営の体育館のトレーニング室を使う場合はHYROXの練習は公営の体育館でできる?にまとめています。

03

器具が無い種目はジムにある器具で代わりの動きに置き換える

スレッド、サンドバッグ、ウォールボールの的、スキーエルゴ、ローイングマシンが無いジムでは、その種目を代わりの動きに置き換えます。海外のトレーニングガイドが挙げる代わりの動きを、ジムにある器具ごとにまとめると次のようになります。

普通のジムにある器具(トレッドミル・ローイングマシンとバイク・ケーブルマシンとバンド・ダンベルとケトルベル・バーベル・器具なしの床)ごとに、HYROXのどの種目の練習や代わりの動きに使えるかを整理したカード図
出典:HYROXルールブック(2026/27シーズン)・Concept2・Hybrid Pro Coach・Gymshark・Repz・Hyrox Vault ほか(2026年10月2日確認)

スキーエルゴが無いとき

ローイングマシンは、広背筋を中心に引く動きを鍛える練習として複数の記事が挙げています。ただし、座った姿勢で脚から動き始める点が、立って行うスキーエルゴとは違うという指摘があります。ケーブルマシンで腕を伸ばしたまま頭上のケーブルを引き下ろすストレートアームプルダウンを挙げる記事もあります。エアバイク(アサルトバイクなど)は、動きは違うものの、時間や強度といった持久力の条件をそろえる代わりになるとRepzは書いています。

どの方法でも、スキーエルゴ特有の協調運動までは再現できないという指摘があります。詳しくはスキーエルゴの代用トレーニングにまとめています。

スレッドプッシュ・スレッドプルが無いとき

スレッドプッシュの代わりには、トレッドミルに傾斜をつけて走る・歩く方法や、スクワット・ランジ・レッグプレスなどの脚の筋力トレーニングが挙げられています。スレッドを押す使い方をメーカーが用意しているトレッドミルなら、押す練習にも使えます。スレッドプルの代わりには、ケーブルマシンを使ったロー(座って引く・立って引く・タオルを握って引く)を3つの記事が挙げています。

通し練習の中でスレッドの区間を置き換えるなら、Hybrid Pro Coachは重いレジスタンスバンドを付けて40〜50m歩く方法を挙げています。スレッドプルの代わりの動きはスレッドプルの代用トレーニングに詳しくまとめています。

ローイングマシンが無いとき

ローイングのマシンが無いジムでは、通し練習の中のローイングの区間を、バイクエルゴか、強めの力感での400mランに置き換える方法をHybrid Pro Coachが挙げています。

サンドバッグが無いとき

サンドバッグランジの代わりには、バーベルを背中の上部に担いで行うウォーキングランジがあります。Gymsharkは、重さが乗る位置が本番に最も近いとして、サンドバッグが無いときに最初に試す方法に挙げています。ダンベルを両手に持って行うランジは、脚に加えて握力も使います。

ジムの中で100m進む場所が取れないときは、歩数で数える方法もあります。Hyrox Vaultは、200歩をサンドバッグランジのおおよその歩数としています。詳しくはサンドバッグランジの代用トレーニングにまとめています。

ウォールボールのボールや的が無いとき

ウォールボールの代わりとして最も多く挙げられているのは、ダンベルかケトルベルを使ったスラスター(しゃがんだ姿勢から、立ち上がる勢いで重りを頭上へ押し上げる動き)です。Hyrox Vaultは、ゴブレットスクワットから頭上へのプレスを100回行う方法を挙げています。メディシンボールを床に叩きつけるスラムを挙げる記事もあります。

的が無いときに自分で目印を作るかどうかは、記事によって考え方が違います。Recharge Fitnessは、自宅ならボールと頑丈な壁があればよく、的を壁に取り付ける代わりに、高さを手で印すだけでもよいとしています。一方でRepzは、即席の壁や低い天井に向けて硬い物を投げないこと、不安定な目印を使わないことを挙げ、大会前に正規の的を使える場所を探すよう勧めています。詳しくはウォールボールの代用トレーニングにまとめています。

04

1回分のメニューは使える時間で形を選ぶ

ランと種目を交互に行う通し練習の組み方として、Hybrid Pro Coachは1回の負荷の大きさで3つの形を示しています。30〜40分のミニ・シミュレーション、45〜60分のハーフ・シミュレーション、75〜100分以上のフル・シミュレーションです。普通のジムでは、器具が無い種目を前の節の代わりの動きに置き換えて、この形に当てはめます。

置き換えについて、Hybrid Pro Coachは、狙いは本番の疲れ方(ランと種目を交互に行う疲れ)を再現することで、すべての条件を本番とそろえることではないとしています。ジムの器具が大会の規格と違う場合は、自分の部門に合わせて重さを調整します。

使える時間(30〜40分・45〜60分・75〜100分以上)ごとに、通し練習の形(ミニ・ハーフ・フル)と、ランの本数・種目の数・頻度の目安を並べたカード図
出典:Hybrid Pro Coach のトレーニングガイド(2026年10月2日確認)

30〜40分なら苦手な種目を3〜4つ選ぶミニ・シミュレーション

ミニ・シミュレーションは、1kmのランを3〜4本と、種目を3〜4つ組み合わせる形です。力の入れ具合は本番の70〜80%で、回復は48時間あればよいとされ、土台を作る時期には毎週行えます。

種目は、自分の弱点になっている種目から選びます。Hybrid Pro Coachは、スレッドのあとにランが大きく遅くなるならスレッドを、ウォールボールでランのペースが崩れるならウォールボールを入れるよう勧めています。普通のジムでスレッドが弱点なら、スレッドの区間をバンドで歩く方法や傾斜をつけたトレッドミルに置き換えます。

同社が典型例に挙げるのは、1kmのランを3本走り、その間にスキーエルゴ・ウォールボール・バーピーブロードジャンプを挟む形です。スキーエルゴもウォールボールの的も無いジムなら、次のように組めます。

順番

内容

ジムに器具が無いときの置き換え

1

1kmラン

トレッドミル

2

スキーエルゴ

エアバイク50カロリー(Hybrid Pro Coach)、またはローイングマシン

3

1kmラン

トレッドミル

4

ウォールボール

ダンベルかケトルベルのスラスター

5

1kmラン

トレッドミル

6

バーピーブロードジャンプ

置き換えは不要

ミニ・シミュレーションは、本番の再現でも力試しでもありません。種目のあとの疲れた脚で走ることに慣れ、種目からランへの切り替えをなめらかにし、ランのペースをそろえることに集中する練習です。

45〜60分なら8種目の前半か後半に絞るハーフ・シミュレーション

ハーフ・シミュレーションは、1kmのランを4本と、本番の前半4種目か後半4種目を組み合わせる形です。Hybrid Pro Coachは、前半と後半を回ごとに交互に行い、1か月で全種目に触れることを勧めています。頻度の目安は2〜3週間に1回です。

普通のジムで行う場合の置き換えの例は次のとおりです。各種目の前に1kmのランを走ります。スキーエルゴ・スレッド・ローイングの置き換えはHybrid Pro Coachが挙げるもの、ケーブルマシンのロー・サンドバッグランジ・ウォールボールの置き換えは前の節のトレーニングガイドが挙げるものです。

回

種目(本番の量)

ジムに器具が無いときの置き換え(例)

前半の回

スキーエルゴ(1000m)

エアバイク50カロリー

前半の回

スレッドプッシュ(50m)

重いレジスタンスバンドを付けて40〜50m歩く

前半の回

スレッドプル(50m)

重いレジスタンスバンドを付けて40〜50m歩く、またはケーブルマシンのロー

前半の回

バーピーブロードジャンプ(80m)

置き換えは不要

後半の回

ローイング(1000m)

バイクエルゴか、強めの力感での400mラン

後半の回

ファーマーズキャリー(200m)

置き換えは不要(ケトルベルかダンベル)

後半の回

サンドバッグランジ(100m)

バーベルを担ぐか、ダンベルを持つウォーキングランジ

後半の回

ウォールボール(100回)

ダンベルかケトルベルのスラスター

ハーフ・シミュレーションは、体力の伸びを確かめる基準にもなります。Hybrid Pro Coachは、種目とランの間の切り替えを含めた合計時間を記録し、回ごとに比べるよう勧めています。置き換えた種目は毎回同じ方法・同じ量にしておくと、時間を比べやすくなります。

本番と同じ量の通し練習は1つの準備期間で1〜2回まで

8種目と1kmのラン8本を本番の重さと回数で通すフル・シミュレーションは、75〜100分以上かかります。Hybrid Pro Coachは、回復に5〜7日かかるため1つの準備期間で1〜2回までとし、大会の6〜8週間前に組み、最後の2週間には入れないよう勧めています。

本番と同じ全種目を毎回通すのは効率が悪いという指摘もあります。SWOL Mindsetは、練習の中盤から終盤は週1回、1kmのランを3〜6本と選んだ種目を組み合わせた練習で足りるとしています。器具がそろわないジムに通う人にとっては、こちらの考え方の方が取り入れやすいでしょう。通し練習の段階の踏み方はHYROXのシミュレーション(本番形式の練習)のやり方にまとめています。

05

普通のジムで通し練習をするときの注意

通し練習では、トレッドミル・ローイングマシン・ダンベルなどを順に使うので、1回の練習で複数の器具を続けて使うことになります。エニタイムフィットネスはよくある質問で、長時間のマシン占有はほかの人の妨げになる場合があるとして、混雑時は譲り合って使うよう求めています。店舗ごとの利用ルールがある場合もあります。混んでいる時間を避けるなど、通っているジムのルールに合わせて組んでください。

スレッドプッシュの代わりに、電源を切った普通のトレッドミルのベルトを押す方法を紹介する記事もありますが、記事によって意見が分かれます。Repzは、メーカーがその使い方を想定した機種以外ではやらないよう注意しています。ジムの器具で試す前に、機種の説明書とジムのスタッフに確認してください。

06

代わりの動きは本番と同じではない

代わりの動きは、本番の種目と同じではありません。スレッドについては、代わりの動きは本物のスレッドと同じではなく、効果がどれだけ本番に移るかの裏付けも無いという指摘があります。ウォールボールについては、胸の位置でボールを受けるリズムは代わりの動きでは再現できないとHyrox Vaultが、ボールのキャッチや的に当てることは再現できないとRepzが書いています。

そのため、大会前に一度は本物の器具に触れておくと安心です。HYROX公式サイトは、スレッドプッシュを大会前に少なくとも1回は試しておくよう勧めています。Gymsharkは、器具がそろわない場合は大会前にHYROXトレーニングクラブを何度か訪ねて、本番で行う種目に慣れておくことを勧めています。多くの施設はドロップイン(単発)での利用を受け付けていて、本番前に模擬レースを体験できる日を設けている施設もあるとしています。

器具がそろったジムは「HYROX認定ジム」とはとHYROXのクラス・スクール・サークル一覧、ジムに通わずに練習する方法は自宅でできるHYROXの練習で紹介しています。

07

KEY TAKEAWAYS

  • 普通のジムでも、バーピーブロードジャンプ(器具なし)・ファーマーズキャリー(ケトルベルかダンベル)・ラン(トレッドミル)は本番と同じ動きで練習できます。条件になるのは床の広さです
  • 本番のローイングとスキーエルゴはConcept2の機械です。エニタイムフィットネスでConcept2の絞り込みに出るのは1,328店のうち140店、マシン一覧にスキーエルゴと書かれていたのは15店でした(2026年10月1日時点)
  • スレッド・サンドバッグ・ウォールボールの的・スキーエルゴが無ければ、ジムにある器具で代わりの動きに置き換えます(バーベルのランジ、ダンベルのスラスター、ケーブルのローなど)
  • 30〜40分なら、1kmラン3〜4本と苦手な種目3〜4つのミニ・シミュレーション、45〜60分なら、1kmラン4本と前半か後半の4種目のハーフ・シミュレーションを組めます
  • Hybrid Pro Coachは、スレッドが無ければバンドで40〜50m歩く、スキーエルゴが無ければエアバイク50カロリー、ローイングマシンが無ければバイクエルゴか強めの400mランを挙げています
  • 代わりの動きは本番と同じではありません。大会前に一度は本物の器具に触れておくと安心です
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